今季ドイツで1得点3アシストの21歳MFアペルカンプ真大 デュッセルドルフ監督が「上手い」と評価する強みとは?

デュッセルドルフでプレーするMFアペルカンプ真大【写真:Getty Images】
デュッセルドルフでプレーするMFアペルカンプ真大【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】アペルカンプ真大と田中碧の組み合わせが有効か

 ドイツ2部デュッセルドルフの日本代表MF田中碧は、1-2で敗れた第7節ハイデンハイムとのアウェー戦後にこう語っていた。

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「真ん中がない。真ん中があるからサイドが生きる。自分が出し手になるのか、受け手になるのかは、試合状況だったり、自分の立ち位置によって変わりますけど、ただ個人としてはそこをおろそかにしちゃいけないというか、サイドに展開して、サイドからクロス上げてだけでOKっていうわけじゃないし、やっぱ真ん中を見せないといけないと思う」

 3節から3試合連続勝ち星がなかったチームへダニエル・ティヌーウ監督はメンバー構成にテコ入れし、6節レーゲンスブルクで4-0と見事に快勝した。久しぶりの勝利もそうだし、今季初となる無失点というのは大きい。ハイデンハイム戦でスタメンそのままに臨むのは理解できる。

 そしてこの試合でもセットプレーなどで2失点はしたものの守備を崩されたシーンはそこまで多くはない。アウェーではなかなか勝ち点を積み重ねられていないという背景もある。「パフォーマンスには満足している」というティヌーウ監督の言葉からはチームへの信頼を感じさせる。

 ただ攻撃に関してはシュートチャンスがほとんどないまま終わってしまったという事実がある。冒頭の田中の言葉からも窺えるが、相手のプレスに対してシンプルに展開しようとするのはいい。だが、あまりにもイージーなクロスが多いとチャンスには結び付かない。

 では、どこにどのように起点を突くのか。田中は受け手と出し手という言葉を使ったが、デュッセルドルフのメンバーを見ると出し手としての田中、そして受け手としてのMFアペルカンプ真大の組み合わせは非常に有効ではないだろうか。

 ティウーヌ監督自身、2戦目のパーダーボルン戦後にこのように言及していた。

「シンタはトップ下、ハーフポジション、左サイドとどこでもプレーできる。ライン間でボールを受けるのが上手い。FWの組み合わせやシステムでシンタがまた10番の位置でプレーするかもしれないが、ハーフスペースでもいい動きができる」

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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