町野修斗は「大迫勇也を上回る理想的な身体」 日本代表OBが語る“ポスト”を超える可能性

湘南FW町野修斗は大型万能ストライカーとして台頭【写真:Getty Images】
湘南FW町野修斗は大型万能ストライカーとして台頭【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】「これを止めたらいい」弱点がない万能型ストライカーが開花

 湘南ベルマーレのFW町野修斗は今季、J1リーグで得点ランク5位タイの8ゴールを挙げるなど、プロ5年目で目覚ましい活躍を見せている。今年7月のE-1選手権で日本代表まで上り詰めたストライカーが結果を残している最大の要因とは――。ルーキーイヤーに横浜F・マリノスで同僚だった元日本代表DF栗原勇蔵氏に分析してもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 履正社高出身の町野は、2018年にアンジェ・ポステコグルー監督(現セルティック監督)率いる横浜FMに加入するも、プロ初年度は公式戦出場のチャンスを掴めず。翌19年に期限付き移籍したJ3ギラヴァンツ北九州で30試合8ゴールを記録すると、北九州への完全移籍を決断してJ2で32試合7ゴールの成績を残した。

 2021年には湘南へ完全移籍し、J1初ゴールを含む31試合4得点。所属2年目の今季は5月21日のJ1第14節ヴィッセル神戸戦(2-1)から5試合6ゴールと爆発し、日本代表まで上り詰めた。

 2018年、横浜FMで基礎トレーニングに明け暮れる姿を見ていた栗原氏は、「修斗は、もともと得点力はありました」と当時を振り返る。

「高卒で加入したF・マリノスでは、試合に出る機会がありませんでした。ただ、練習ではいいものを見せていて、技術が高く、『化ける可能性はある』と思っていました。爆発的なスプリント力ではないですけど、スピードも平均以上で、試合で自分のプレーを見せられるようになった。北九州で順調に成長して結果を出していたので、嬉しかったですね」

 町野は、選手としての自分を一言で「万能型」と表現。「ボールをキープしたり、裏にランニングしたり、起点を作ったり、なんでもできる。シュートパターンも右足も左足も蹴れるし、頭も取れると思っています」と話す。実際、今季町野が決めた8ゴールは、利き足の右足で最多の4点、左足と頭でそれぞれ2点と満遍なく奪っている。栗原氏も、「いろんなパターンを持っているので、守る側からすると『これを止めたらいい』という選手ではない」と対峙した経験を基に町野の自己分析に同調する。

「修斗は上背がある(身長185センチ)し、ヘディングも強い。ただ、ヘディングが特徴というわけでなく、いろんなことができたうえでのプラスαという感じで精度も高い。足も速くて、能力、技術ともに、すべて平均値以上。足を止めないのでいい場所に入ってこれるし、ゴール嗅覚も備えていて、弱点という弱点がないので安定感がありますね」

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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