乾貴士、清水へ移籍決断の“舞台裏” C大阪で謹慎騒動と練習不参加の真相、オファーに至る3か月半の道のりとは?

MF乾貴士【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
MF乾貴士【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

【記者コラム】C大阪での騒動から清水移籍が決定するまでの約3か月半に起こっていた事実

 J1セレッソ大阪を6月9日付で退団した元日本代表MF乾貴士の新天地がJ1清水エスパルスになることが7月21日、分かった。22日中にも発表される。C大阪退団後、J2ファジアーノ岡山で練習を積み重ねてきた乾だが、ここに至るまでどのような道のりだったのか。C大阪での騒動から移籍決定まで3か月半の舞台裏をJクラブ関係者などからの取材を基に追っていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)

   ◇   ◇   ◇

▼4月5日
 乾は昨夏、スペイン1部エイバルから10年ぶりに古巣のC大阪へ復帰し、今季も主力として活躍が期待されていたが、4月5日に行われたJ1リーグ第7節柏レイソル戦(0-1)で後半途中に交代を命じられた際、暴言を吐くなど不服な態度を示したとされ、その後、クラブより規律・秩序を乱す行動が確認されたと発表。公式戦6試合への出場停止処分を科された。

 この際、途中交代を命じられた乾が不服な態度を取ったことは事実。チーム、自身に対する思いが募りに募ってコントロールできなかったのは乾に非がある。本人もこの態度について大いに反省している。だが実は、この態度を取った瞬間に乾の謹慎が決定。話し合う場も設けられないまま一方的にロッカー室で宣告され、その際に冷たい言葉を浴びたという。

▼4月6日
 当面の謹慎処分が決まり、クラブハウス、練習場への立ち入りが禁止された。乾は謝罪の意をクラブ幹部、チームトップに伝えるもシーズン終了まで起用されない意向が通達されたという。

▼4月14日
 クラブは出場停止処分を発表。5月14日のJ1リーグ第13節・名古屋グランパス戦(0-1)まで公式戦6試合への出場停止処分となった。

▼5月8日
 それまでにクラブ側の都合で延期となっていたチームトップ、クラブ幹部との会談が実現。14日以降も練習参加を認めない方針が伝えられたという。

▼5月14日
 乾の処分が解ける。だが、この時点で乾サイドにはクラブから練習参加の許可は下りていなかったため、“宙ぶらりん”状態となった。

▼5月19日
 謹慎処分解除後も練習参加を認めないことは国際ルールに抵触する可能性があることが判明。クラブから練習参加が急遽認められるも、乾は戸惑ったという。その後、クラブ幹部と話し合いの場が設けられることとなった。だが、過去に延期されていたことやクラブ側の態度が参加拒否から突然認める方向へ変わったことなどが重なり、話し合いは平行線をたどったという。

▼6月9日
 契約解除が発表され、フリーの状態に。退団に至るまで複数回の話し合いが行われた。

▼6月14日
 岡山が翌15日から乾が練習参加することを発表。

▼6月15日
 岡山で初めての練習参加。Jクラブ、海外クラブを問わず6月中を目標にオファーを待ちながら、トレーニングを続ける。

▼7月中旬以降
 厳しい状況が続いたが、清水からオファーが届く。J1残留の救世主になるべく移籍を決意。22日にも正式発表される予定となる。

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