「いずれは日本人になる」 東京Vバスケス・バイロンが日本国籍取得の決断を発信した理由

青森山田高を卒業時にはチリ代表を目標に掲げていたが、母国に戻って日本の良さを改めて実感【写真:Noriko NAGANO】
青森山田高を卒業時にはチリ代表を目標に掲げていたが、母国に戻って日本の良さを改めて実感【写真:Noriko NAGANO】

1年以内で日本国籍の正式取得を目指す

 決断をツイッターで発表後、バスケス・バイロンの元には「国籍を変えるの?」とたくさん連絡があったという。驚きとともに、応援してくれる声も多かった。「僕もいずれは日本人になる」というフレーズに込めた思いとは――。

「僕はチリ出身で、母国への愛情をなくすことはありません。でも、日本に12年いて、日本人になりたいと思わせてくれました。海外リーグでプレーしたい目標はありますけど、家族は日本にいるし、僕も日本で生活していきたい。今はチリ人ですけど、いずれは日本人になるので、温かく受け入れてほしいなという意味も込めて書きました。ただ、これは僕の心の中でしか分からないことで、手続き上、国籍がチリか日本かの違いくらいです(笑)」

 法務省によれば、日本国籍を取得する条件は「出生」「届出」「帰化」の3つ。チリ国籍のバスケス・バイロンは、国籍法第4条で法務大臣の権限とされている帰化の許可を目指すが、住所条件(日本に5年以上住んでいること)、能力条件(18歳以上、かつ法律によっても成人の年齢に達していること)、素行条件(素行が善良であること)、生計条件(生活に困ることがなく、日本で暮らしていけること)、重国籍防止条件(無国籍であるか、原則としてそれまでの国籍を喪失すること)、憲法遵守条件(日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張しない者であること)を満たしていたとしても、必ず帰化が許可されるとは限らない。書類の多さには、バスケス・バイロンも舌を巻く。

「とにかく書類がたくさんあって(苦笑)。僕だけじゃなく、両親、弟、妹、全員のもの集めないといけなくて自分だけでやるのは大変なので、専門的な人にサポートしてもらっています。合計100枚以上の書類を提出して、法務省と2回くらい話をしてからおそらく審査に入ります。審査は半年~1年ほどかかるそうで、すべてが上手くいったら最短で来年2月、時間がかかると1年以上。個人的には1年以内に取りたいと考えています」

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