中国スーパーリーグ開幕戦で大事件 選手宣誓の代表戦士が悪質ファウルで一発退場に驚きの声「情けない」

1月のカタールW最終予選にも出場したDFジェン・ジェン【写真:高橋 学】
1月のカタールW最終予選にも出場したDFジェン・ジェン【写真:高橋 学】

【中国サッカー考察コラム#10】山東泰山DFジェン・ジェンが開幕戦で悪質ファウル

 サッカーファンのみなさま、こんにちは。中国サッカーメディアにて活動をしている久保田嶺です。先日の6月3日、ついに2022年シーズンの中国スーパーリーグが始まりました。試合前には盛大にセレモニーが行われ、その後に前年王者・山東泰山と浙江の開幕戦となりましたが、その一戦で早速大事件が起きてしまい、中国サッカーファンの間で話題となっております。今回はその一件について書きたいと思います。

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「我々選手一同はスポーツマンシップにのっとり、ルールを守り、互いに尊重することを誓います」

 皆さまも体育祭や高校野球の開会式などで、このような選手宣誓を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。これから始まる大会に向け、しかるべき選手がみんなを代表して宣誓する。これは日本だけでなく中国でも行われるもので、今シーズンの中国スーパーリーグ開幕式でもありました。

 今年の選手宣誓は郑铮(ジェン・ジェン)選手。1989年生まれの32歳で、前年覇者である山東泰山のキャプテンであり、今年1月のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本対中国戦でも中国代表メンバーとして来日してスタメン出場したサイドバックの選手です。コロナウイルスへの国策の影響により開幕が大幅に遅れ、チーム解散など難しい状況にある中国サッカーですが、それでも今年もリーグが始まった、と感じさせてくれる素晴らしいものでした。

 しかし、その後の開幕戦で事件は発生します。試合は山東泰山が後半29分にコーナーキックから得点し、そのまま1-0で開幕戦勝利を飾るのですが、後半37分にジェン・ジェン選手が悪質なファウルにより一発退場してしまいます。浙江のマシューズ選手にかわされたあと、足の裏で故意に相手を蹴ってビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)判定。私もリアルタイムで試合を見ていましたが、誰もが納得のレッドカードでした。そして、これが2022年中国リーグ初のレッドカードとなります。

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久保田嶺

1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。

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