元ミラン“名物会長”ベルルスコーニ氏、来季セリエAに帰還 昇格組モンツァ牽引…スキンヘッドの敏腕CEOと再タッグ
ミラン黄金期の会長ベルルスコーニ氏、モンツァでガリアーニ氏と再共闘
来季のイタリア・セリエAに、あの名物会長が帰ってくる。元イタリア首相にしてACミランの会長も長年勤めたシルビオ・ベルルスコーニ氏が、モンツァの会長としてトップリーグへの返り咲きを果たす。
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ベルルスコーニ氏はミランの会長として1990年代の黄金時代など数々の輝かしいタイトルを手にした。攻撃的なサッカーを愛し、現場介入をライフワークとする監督たちには面倒な存在でありながらも不思議なカリスマ性を持ち、自身が傘下に置くメディアも活用しながらミランのブランド力を高めた。
イタリア首相を務めている時期には、数々の問題発言や人種差別につながりかねない表現で物議を醸したものの、あまりにその頻度が多すぎて大問題にならなかったほどだった。しかし、サッカー界では徐々にその権勢に陰りがみられ、2012年にミランは明確な資金難に陥って当時のエースFWズラタン・イブラヒモビッチや守備の要だったDFチアゴ・シウバの売却を余儀なくされ、チームはダウンサイジングが顕著に。ついには2017年に中国資本へとミランを売却することになった。
それでもサッカー界への情熱を失わなかったベルルスコーニ氏は、ミランの本拠地ミラノの郊外に本拠地を置く小クラブのモンツァを2018年に買収。2019-20シーズンにセリエBに昇格すると、今季には昇格プレーオフを制してクラブ史上初のセリエA昇格を果たした。
その右腕とも言える最高経営責任者(CEO)はミラン時代と同じアドリアーノ・ガリアーニ氏。スキンヘッドの風貌と政治力を生かし、移籍市場では「様子を見てみよう」の決め台詞とともに多くの有力選手を獲得した手腕の持ち主が、再びセリエAの舞台に戻る。
イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、モンツァがセリエA最初のシーズンに用意できる移籍市場の予算は6000万ユーロ(約78億円)から7000万ユーロ(約91億円)と、他クラブと比較して潤沢なわけではない。しかし、トリノのイタリア代表FWアンドレア・ベロッティが契約満了のタイミングと見るや、即座に獲得を狙う動きを見せているという。
過去にもガリアーニ氏はミランが資金難の時代にゼロ円移籍での補強方策に奔走し、元日本代表MF本田圭佑も獲得したことがある。セリエAに戻ってくる唯我独尊の名物会長と、スキンヘッドの敏腕CEOがどのような存在感を見せるのか、移籍市場での動きも注目される。
(FOOTBALL ZONE編集部)