インテンシティーって何? U-21日本代表DF内野貴史、ドイツで感じた“プレー基準”の違いに衝撃「止まって受けたら絶対取られる」

デュッセルドルフでプレーするDF内野貴史【写真:Getty Images】
デュッセルドルフでプレーするDF内野貴史【写真:Getty Images】

【独占インタビュー】独2部でデビューの内野「こういう環境でないと身に付かない」

「インテンシティー」(プレーの強さや激しさ、強度)という言葉がサッカー業界ではよく使われる。日本サッカーと欧州サッカーの違いを聞かれると、多くの選手や指導者が「インテンシティー」と答えている。ではインテンシティーが違うとは、具体的にどういうことを言うのだろうか。

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 ドイツ・ブンデスリーガ2部デュッセルドルフでトップチームデビューを果たし、6月にウズベキスタンで開催されるU-23アジアカップのU-21日本代表メンバーに選出されたDF内野貴史が興味深い話をしてくれた。(取材・文=中野吉之伴/全4回の3回目)

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 4部リーグに所属するセカンドチームでプレーしていた内野は定期的にトップチームで練習参加し、トップチームにコロナ感染者が続出した2022年3月12日の26節パーダーボルン戦ではスタメンフル出場を果たし、トップチームデビューを飾った。あの舞台に立ったからこそ分かった感覚があったという。

「実際試合では自分で満足いくプレーはできてなかった。細かい話をしたら、ボールを受ける位置とかコントロールの向き、プレーの流れを止めないというところで、自分のところでテンポが落ちているというのは感じたんです。もちろん僕はデビュー戦だったのでしょうがないじゃないけど、周りにもそういうふうに思ってもらえているなというのはあったんですけど、やっぱりプレーで課題は多かったですね。テンポですね、スピード感。オフェンスの時にボールを動かすスピード感とかで大きな違いを感じましたね」

 相手チームがボールを持って前を向かせるという局面を作らせないように、前線からガンガン来るというのはドイツの下部リーグに行っても普通にある。4部リーグでもプレスはすごく速い。ただ、闇雲なプレスということも多いので、選手の立つポジションによっては誰が当たるべきかで迷ってちょっと時間が生まれることがある。トップチームではそれがまったく違うというのだ。

「練習でも感じますけど、ボールをトラップして周りをぱっと見た瞬間相手が目の前にいるという感じで。とにかく止まって受けたら絶対取られるんで。絶対取られるんですよ。ボールを受ける前に相手に『そこで受けるんだ』って気づかれた瞬間にいるので。これまでのキャリアで、ドイツでのことも含めて、感じたことがないレベルです。こういう環境でやっていかないとそういうスキルは身に付かないのかなと思います」

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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