新たなサバイバルがスタート 金田喜稔が選ぶ台頭期待の“注目8選手”「選ばれても不思議はない」

7大会連続のW杯出場が決まった日本代表【写真:Getty Images】
7大会連続のW杯出場が決まった日本代表【写真:Getty Images】

野心は大前提、「したたかさ、頭の良さ、メンタルの強さ」も必要

 森保一監督率いる日本代表は、3月29日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第10節ベトナム戦で1-1と引き分け、最終予選をグループ2位で終えた。11月に開催されるW杯のメンバー入りに向けて熾烈なサバイバルが続くなか、果たして誰が台頭するのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、期待する注目選手の名前を挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 最終予選の日本は序盤3試合で2敗を喫して苦戦を強いられた。しかし第4節から6連勝を飾り、3月24日の敵地オーストラリア戦で2-0と勝利し、7大会連続のW杯出場を決めた。金田氏は「第4戦のオーストラリア戦で4-2-3-1システムから4-3-3システムへ切り替え、遠藤、守田、田中を組ませた中盤の3枚がカチッとハマった。伊東(純也)という強力アタッカーが最終予選を通じてMVP級の活躍を見せ、さまざまな要素が上手く噛み合ったなかで、よくぞW杯出場権を獲得してくれたというのが率直な思いだ」と振り返る。

 システム変更を機に、中盤はMF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(サンタ・クララ)、MF田中碧(デュッセルドルフ)が軸となり、チーム状況もV字を描くように回復した。金田氏は「もちろんW杯を見据えれば、前線からのボールの追い方、攻撃の組み立てなど攻守の課題は少なくない」と前置きしつつ、「守備に軸足を置いて、まずは失点しないというスタンスのなかで選手たちに自信を植え付け、W杯出場権を獲得したのは、やはり森保監督の手腕だろう」と称えている。

 W杯出場を決めた今、今後はチーム強化が主眼となり、本大会メンバー23人を巡る争いは激しさを増す。金田氏は3月シリーズで選外となったメンバーの台頭を待ち望む。

「ポテンシャルを持っている選手たちが、野心をギラつかせて代表のポジションを狙ってほしい。そうじゃないと、今のメンバーからポジションを奪うことなどできない。やはり代表はそう簡単な場所じゃない。野心は大前提で、したたかさ、頭の良さ、メンタルの強さなどがなければ選ばれるものじゃない」

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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