清水で2トップの一角を担う鈴木は4-2-3-1のトップ下も可能

　サイドは荒木が不在だが、鈴木を筆頭に平岡、さらにMF甲田英將（名古屋グランパス）、MF宮城天（川崎フロンターレ）と個性的なタレントが揃う。ただし、4-3-3にした場合は鈴木や平岡はインサイド、ドリブラーの甲田やカットインからのシュートを得意とする宮城はウイングに分かれるかもしれない。また4-2-3-1を使うなら、清水で2トップの一角を担う鈴木はトップ下も可能だ。

　鈴木と今回は不参加の荒木が中心的な存在になっていきそうだが、中盤ならどこでもこなせるMF成岡輝瑠（清水エスパルス）や左利きのMF武田英寿（大宮アルディージャ）、変幻自在の個人技を誇るMF樺山諒乃介（横浜FM）、抜群の攻撃センスを持つMF中村仁郎（ガンバ大阪）などが食い込んでくるか。松木と同じく高卒ルーキーで注目を集める高速ドリブラーのMF古川陽介（ジュビロ磐田）なども面白いタレントだ。

　前線は190センチのFW櫻川ソロモン（ジェフユナイテッド千葉）とシュートセンスに優れるFW藤尾翔太（徳島ヴォルティス）、万能型のFW細谷真大（柏レイソル）と多士済々。スピードのあるMF鮎川峻も、2トップであればサイドよりも前線の候補になってくる。ここに本来は突破力と決定力を兼ね備える斉藤も加わってくるはずだ。

　さらにヴィッセル神戸で前節スタメン出場したFW小田裕太郎など、ポテンシャルの高い選手は多いが、本格ブレイクまで行っている選手はいないポジションだ。システムによっては1トップ気味になるかもしれないが、身体能力抜群のFW中島大嘉（北海道コンサドーレ札幌）、ルヴァン杯でプロデビューしたFW千葉寛汰（清水エスパルス）など、本職FWとしてA代表に招集されるような選手の台頭が期待される。

　また、大岩監督は「オーバーエイジを組み込む幅はある」と語るように、パリ五輪の本番を見据えて、大会によってはパリ五輪世代の2001年よりも上の年代から選ぶ可能性を示唆。昨年のU-23アジア杯予選に参加した1999年生まれのMF郷家友太（神戸）のようなケースが今後もあるかもしれない。そこも含めてパリ五輪まで、1人でもA代表へ食い込む選手が出てくることを楽しみにしながら、パリ五輪を目指す代表チームの活動を見ていきたい。