ピッチ上の動きだけで相手を翻弄 浦和の“プレーメーカー型ボランチ”2人が30分間で示した新たな可能性

浦和でプレーするMF岩尾憲とMF平野佑一【写真:Getty Images】
浦和でプレーするMF岩尾憲とMF平野佑一【写真:Getty Images】

ロドリゲス監督の寵愛を受ける岩尾と平野がボランチで共闘

 わずか30分間ほどではあったものの、浦和レッズにとっては新たな可能性を見出す時間になった。3月6日に行われたJ1リーグ第3節の湘南ベルマーレ戦(2-0)で、浦和はMF岩尾憲とMF平野佑一のプレーメーカー2人がボランチのスタメンでコンビを組んだ。

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 浦和は昨季にリカルド・ロドリゲス監督が就任し、安定したボール保持をしながら相手を押し込んでいくサッカーを理想としている。そうしたなかで、昨夏にJ2水戸ホーリーホックから加入した平野は「チームのブレーンになれるタイプ」と指揮官が話し、いきなりチームの中心的存在になった。

 一方で、浦和に就任する前に4年間を戦った徳島ヴォルティスで、ロドリゲス監督の右腕的な存在として活躍していたのが岩尾であり、今季に浦和へと期限付き移籍が決定した。沖縄キャンプ中に平野は「え、来ちゃうの? かぶるやんと思ってしまった」と、同タイプであり、監督から全幅の信頼を獲得している岩尾の加入に戸惑いがあることを正直な言葉にしていた。

 強度が高いタイプのMF柴戸海やMF伊藤敦樹が所属するなかでは、組み合わせとして最も可能性が低いと思われた岩尾&平野のコンビだが、意外にも早くその機会が訪れた。ロドリゲス監督は「フレッシュな選手たちで戦っていくのは重要なこと。スタートメンバーだけでなく、途中から入る選手を含めてどういった構成をするか非常に迷った」と話し、選手のローテーションという意味合いもあったことを明かしたが、これまでの組み合わせとは違うプレーを見せたのも事実だ。

 湘南が2トップを基準に浦和の最終ラインへプレスをかけようとする時に、平野と岩尾が上手く相手の気になる位置を取りながら、その足が鈍るようにポジションを取り続けるのが効果的だった。必ずしもボールはその2人を経由しないが、相手の足が止まることでDF岩波拓也やDFアレクサンダー・ショルツが余裕をもってボールを持ち、相手のマークを外した前線にボールをつける。もちろん、ボールを触った時の技術や安定感もあるが、ピッチ上の動きだけで相手を崩してしまうコンビネーションは特筆ものだった。

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