J1清水の“勢い”に期待 開幕戦で見せた平岡イズム、先発11人日本人の緊急事態にも対応

J1清水が開幕戦で引き分け(※写真は昨季の円陣の様子)【写真:Getty Images】
J1清水が開幕戦で引き分け(※写真は昨季の円陣の様子)【写真:Getty Images】

【J番記者コラム】札幌とホームでJ1開幕戦、J1では15年11月甲府戦以来となる先発11人日本人選手

 昨シーズンの最終戦から77日後に開催された2022年のJ1リーグ第1節は北海道コンサドーレ札幌をホームのIAIスタジアム日本平に迎えた。

 清水エスパルスは創設30周年を迎える今シーズンのチームスローガンを「HERE GOES!」として、「フロントもチームも戦う準備は終わった。タイトル獲得、すなわち優勝を目指したい」と新体制発表記者会見で山室晋也代表取締役社長は宣言し、あわせて「満員のスタジアム、フルスタジアムも目指す」と話したが、開幕が近づくタイミングで新型コロナウイルス感染が拡大し、まん延防止等重点措置が36都道府県に出され、また当日の雨予報100%の影響も受けて2年ぶりのホーム開幕戦の来場者数は9357人にとどまった。

 新型コロナの影響はチームにも及び、春季キャンプには複数の選手が参加できず、開幕の4日前にも1人の選手の陽性判定が確認された。そして、開幕1週間前には昨シーズンのチーム得点王のFWチアゴ・サンタナが右足舟状骨骨折で全治までは4~6週間の診断となり、DFヴァウドも開幕直前に離脱した。

 エスパルス自慢のブラジル人クインテット(サンタナ、ヴァウド、FWカルリーニョス・ジュニオ、MFヘナト・アウグスト、MFホナウド)の姿はなく、この試合のメンバーに入った外国籍選手はFWベンジャミン・コロリの1人だけとなったが、そのB・コロリも控えに回り、実にJ1では2015年11月22日第2ステージ第17節ヴァンフォーレ甲府戦以来となる先発の11人が日本人選手だけで占められた。

 ここ2年間はシーズン終盤の途中から指揮を執り残留に大きく貢献したが、開幕からチームを率いるのは初めてとなる平岡宏章監督は「アグレッシブかつフレキシブル」を合言葉にチームを作り、この緊急事態にも対応した。

 先発には本来は攻撃的な選手であるMF白崎凌兵をボランチに配置し、サイドバックの大卒ルーキーDF山原怜音はサイドハーフに。そしてサイドハーフを主戦場にしているMF神谷優太をFWで起用した。

 ただし、この起用もその場凌ぎではなく、しっかりとキャンプや開幕までの練習で準備をしてきたものだった。白崎はピッチを縦横無尽に駆け回り、両チームの中で唯一の12キロ代の総走行距離を誇った。山原は積極的に前線に顔を出し惜しいシュートも放った。「非常に闘える選手」と平岡監督が再発見した神谷も献身的な前線からのブレスでテクニックだけでないアグレッシブさを見せた。

下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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