【J1全クラブ最新布陣】リカルド体制2年目の浦和、優勝へ充実戦力 C大阪の注目は“ブレイク”アタッカー、京都は新FWが鍵
【識者コラム|Part6】浦和、C大阪、京都の新シーズン補強動向&最新予想布陣を紹介
J1の各クラブは、2022年シーズンに向けて新たな陣容でスタートを切る。このオフを経て、昨季からどう生まれ変わったのか。補強動向を踏まえながら、Part6では浦和レッズ、セレッソ大阪、京都サンガF.C.の新シーズン予想陣容を紹介する。
【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継!
■浦和レッズ/昨季成績
J1リーグ:6位(勝ち点63/18勝9分11敗)
ルヴァン杯:ベスト4
天皇杯:優勝
【今オフ補強動向】
ルーキーを含めて12人が加入したが、リカルド・ロドリゲス監督の下で主力を張っていた選手はほぼすべて残っており、そこに新たなポテンシャルのあるタレントが加わった。外国人サイドアタッカーのMFダヴィド・モーベルグ(←スパルタ・プラハ)は来日できていないが、開幕から主力になりそうなのが徳島ヴォルティスから期限付き移籍で加入したMF岩尾憲だ。
リカルド監督の下で4年間キャプテンを務めていた“ピッチの監督”はリーグ優勝を狙うチームの戦術的な軸になりつつある。さらに左右のサイドバックをこなすDF馬渡和彰(←大宮アルディージャ)もリカルド監督の教え子で、すでに岩尾との意思疎通力も備えている。右サイドのイメージは強いが、当時の徳島では左サイドもそつなくこなしており、プレシーズンのスーパーカップでは左サイドで川崎フロンターレのMF家長昭博と粘り強いマッチアップを演じ、攻撃でも存在感を示した。
同じ左サイドにはパリ五輪世代のDF大畑歩夢(←サガン鳥栖)も加わった。スピードと攻撃センスを兼ね備えたタレントだが、怪我明けでもあり浦和でのデビューはもうしばらく先になりそうだ。MF松尾佑介(←横浜FC)も期待の選手で、浦和のアカデミーから大学経由でプロ入りしたサイドアタッカーが憧れの埼玉スタジアムで、どのような躍動を見せるか。
松尾の主戦場は左サイドハーフだが、右の候補にはMF松崎快(←水戸ホーリーホック)がいる。打開力が魅力であり、なおかつ、リカルド監督からは戦術理解力を高く評価されているようで、早い時期から重用されるかもしれない。センターバックにはDF犬飼智也(←鹿島アントラーズ)という実力者が加わり、DF岩波拓也との競争が選手層の底上げにもつながりそうだ。
■主な獲得選手
【Pos./選手名/前所属】
MF ダヴィド・モーベルグ スパルタ・プラハ(チェコ)
MF 岩尾 憲 徳島ヴォルティス※レンタル
MF 松尾佑介 横浜FC
MF 松崎 快 水戸ホーリーホック
DF 犬飼智也 鹿島アントラーズ
■主な放出選手
【Pos./選手名/移籍先】
FW 杉本健勇 ジュビロ磐田※レンタル
FW 興梠慎三 北海道コンサドーレ札幌※レンタル
MF 汰木康也 ヴィッセル神戸
MF 宇賀神友弥 FC岐阜
DF 槙野智章 ヴィッセル神戸
【22年シーズン陣容の注目ポイント】
リーグ優勝を見越してクラブが掲げた“3年計画”の3年目であり、就任2年目のリカルド監督もそのことは自覚している。昨シーズンはリーグ6位に終わったが、天皇杯できっちりタイトルを獲得して弾みを付けた。
指揮官はAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)などすべての大会で勝利を目指すことを前置きしながら、やはり今年はリーグ優勝が最優先のミッションであると主張している。王者・川崎とのスーパー杯で2-0の勝利し弾みを付けたが、新型コロナウイルスの影響で開幕戦は複数人の欠場が見込まれる。
エースとして期待されるFWキャスパー・ユンカーも怪我明けで完璧とは言えないなかで、昇格組の京都サンガF.C.との開幕戦がいきなりの試練になりそうだ。ただ、強いてポジティブに捉えるならば、そうした状況でチャンスをもらえる選手は必ずいるということ。それを生かせるかどうかは彼ら次第だが、大卒ルーキーのDF宮本優太やMF安居海渡などを含めて、ポテンシャルの高い選手は多いだけに、長い目で見れば選手層のアップにもつながり得る。
リカルド監督のスタイルは4-4-2でスタートしても、ボールを動かしながら相手のスペースを見つけて突いていくスタイルで、可変性も高い。徳島では3バックも併用していただけに、オプションとして導入される可能性は十分にありそうだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。