【J1全クラブ最新布陣】リカルド体制2年目の浦和、優勝へ充実戦力 C大阪の注目は“ブレイク”アタッカー、京都は新FWが鍵

曺監督指揮下の京都、さらなる得点源が生まれるか

■京都サンガF.C./昨季成績
J2リーグ:2位(勝ち点84/24勝12分6敗)
天皇杯:4回戦敗退

【今オフ補強動向】
 曺貴裁監督の下、J1昇格を果たしたメンバーが軸で、そこにJ1経験者を含むタレントが肉付けされた構成となっている。特に注目したいのはFWの新戦力だ。もともとFWピーター・ウタカという大エースがいるところに、さらなる得点源が生まれるかがテーマになる。

 経験豊富なゴールハンターであるFW大前元気(←ザスパクサツ群馬)はその筆頭株だ。FW山﨑凌吾(←名古屋グランパス)は得点を量産するタイプではないが、前からの守備とポストプレーに定評がある。FW豊川雄太(←セレッソ大阪)は2トップの一角を主戦場としてきた選手だが、3トップをメインとする京都では左ウイングからゴール前に入っていく役割が主要になるか。

 破天荒な仕掛けやシュート力を持つFWマルティノス(←モンテディオ山形)がハマった時の強さは横浜F・マリノス、浦和レッズ時代から知られるところだ。良くも悪くも波のあるタイプだが、曺監督にどう生かされるか注目される。
 
曺監督が湘南を率いていた時にブレイクしたMF金子大貴も前所属の浦和では鳴かず飛ばずも、新天地での再ブレイクが期待される。ボール奪取力と攻撃センスを兼ね備えたタレントで、MF川﨑颯太、MF福岡慎平、MF武田将平の3人が主力と見られる中盤に割って入れるか。

 DFヨルディ・バイス(→ファジアーノ岡山)が退団したセンターバックはDF井上黎生人(←岡山)とDFアピアタウィア久 (←ベガルタ仙台)、ヴァンフォーレ甲府から加入のDFメンデスがハイレベルなスタメン争いを繰り広げると面白いが、最終的にはアカデミー育ちのDF麻田将吾を含めたメンバーの中で、ファーストセットが確立されていくことが望ましい。

■主な獲得選手
【Pos./選手名/前所属】
FW マルティノス モンテディオ山形
FW 山﨑凌吾 名古屋グランパス
FW 豊川雄太 セレッソ大阪
FW 大前元紀 ザスパクサツ群馬
MF 田中和樹 法政大

■主な放出選手
【Pos./選手名/移籍先】
FW 野田隆之介 FC琉球
FW 李 忠成 アルビレックス新潟シンガポール(シンガポール)
MF 中野克哉 FC琉球
MF ヨルディ・バイス ファジアーノ岡山
DF 森脇良太 愛媛FC

【22年シーズン陣容の注目ポイント】
 アグレッシブに相手ゴールを目指すサッカーはJ1でも貫かれるようだ。流行りの“5レーン”を大枠では意識するが、ベースになるのはタイトな守備と果敢な攻撃で、ボールを失っても数秒間で奪い返す意識も徹底されている。

 各メディアや専門家の下馬評は決して高くないが、それを覆して上位躍進できるポテンシャルはある。ただ、そのためにはスタートからブーストをかけていく必要がある。特に開幕戦はスーパー杯で王者の川崎を破った浦和であり、優勝候補の一角。ホームで勝って自信を付けるには格好の相手だ。

 注目は4-3-3の中盤。攻守の素早いトランジションをストロングポイントにしている。その中央に構える川﨑はバランス感覚とメンタル的なタフさの両方を備えており、課題の展開力なども曺監督の下で成長した感がある。

 前線ではウタカの存在がやはり頼もしいが、ワイドのチャンスメイカーであるキャプテンのMF松田天馬をはじめ、大前など新戦力を含めて、いかにバリエーションを作っていくかがJ1で躍進する鍵になりそうだ。

 また基本的にアグレッシブでありながら、必要に応じて割り切った守備的な戦い方やリードした終盤でのクロージングにも抜かりないのが曺監督であり、接戦で勝ち点を拾っていく生命線になり得る。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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