“4戦連発”絶好調の奥川雅也、ドイツで大活躍の秘密 「結構工夫している」こだわりとは?

味方とタイミングがぴったり、奥川がいまや自由にプレーさせたら危険な選手に

 とはいえ、上手く相手マークを外すことができたとしても、そこを味方選手が見てくれていなければパスは出てこないのだが、その点、今の奥川はそのあたりのタイミングをとても上手く取れているという印象だ。相手マークを外して裏のスペースに抜け出したり、そこから下がって前を向こうとするタイミングと味方選手が顔を上げてパスを送ろうとするタイミングがガチっと合う。

 だからパスを受けた時には自分の間合いとリズムで仕掛けることができている。例えばフライブルク戦ではセンターから外へ流れてパスを受けるシーンがあった。この時もクッと一瞬前に出るような振る舞いからバックステップで弧の動きを取りながら前を向いた状態で左サイドへ流れてパスを呼び込んだ。相手と対峙すると柔らかくも鋭いタッチで中へ持ち込み、必死にくる相手のブロックをはねのけてシュートまで持ち込んで見せる。

 オフェンシブの選手としてパスを受けた時に効果的なプレーができる確率がとても高いというのは、頼もしい限りだ。それでいて相手DFにプレスを仕掛けてコーナーキックを獲得したり、相手のパスコースを巧みに限定して味方のプレス発動の起点となったりと、守備での貢献もしっかりとこなす。

 それこそSNSではビーレフェルトファンが「奥川はブンデスリーガで一番過小評価されている選手」と活躍を褒めていたが、いまや自由にプレーさせたら危険な選手として警戒されていることだろう。

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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