小野伸二、高原直泰、稲本潤一らを輩出 日本サッカーの“黄金世代”が刻んだ歴史

「大型ボランチ」として話題を集めた稲本は名門アーセナルへ移籍

 そして、この世代の「大型ボランチ」として話題を集めたのはMF稲本潤一だった。これまでに紹介した選手はすべて高校サッカーからの出身だったが、稲本はガンバ大阪の下部組織出身で、Jユース組からトップレベルに上り詰めた先駆者とも言える。フィジカル的な強さに加えて運動量も豊富で、日韓W杯では果敢な攻撃参加でゴールするなど活躍。アーセン・ベンゲル氏が監督を務めていたイングランドの名門アーセナル移籍も勝ち獲った。その後、トルコやフランスなど欧州を渡り歩く間に日本代表としても活躍。06年ドイツW杯と10年南アフリカ大会も合わせて3大会連続出場の快挙も成し遂げている。

 こうした10代のうちからスター級の活躍をした選手たちと比較すれば、少し遅れて成熟したと言えるのはMF遠藤保仁だろう。ワールドユースなどトルシエ監督の政権下でもメンバー入りしていたが、最も活躍が顕著になったのは30歳が近づいた頃からだ。中盤のプレーメーカーとして君臨し、岡田武史監督が率いた10年南アフリカW杯ではデンマーク戦で芸術的なフリーキックも決めた。

 続くアルベルト・ザッケローニ監督の時代では、MF長谷部誠とのダブルボランチはチームの骨格に。すべての攻撃が遠藤から始まるというほどチームの心臓部として機能し、日本代表では通算152試合に出場。息の長い活躍で、現在もジュビロ磐田でプレーを続けている。

 ほかにも多くのスターが存在し、高卒からの活躍だけでなく浦和レッズなどでプレーしたDF坪井慶介のように、大学経由でプロ入りして日本代表やクラブでのタイトル獲得に大きく貢献した選手たちもいる。2学年上までの世代には、MF中田英寿やMF中村俊輔、FW柳沢敦といったスーパースターも存在した。それでも、これだけ多くの名手たちが同じ1979年に生まれ、日本サッカーの一時代を築いたのは歴史に刻まれている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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