浦和「3年計画」で初タイトル 熱血漢ロドリゲス監督、就任1年目で重要視したポイントは?

浦和のロドリゲス監督【写真:高橋 学】
浦和のロドリゲス監督【写真:高橋 学】

就任初年度で天皇杯制覇、チームのスタイルを変えながらチャンピオンへ

 浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、12月19日の天皇杯決勝で大分トリニータに2-1の勝利を収めて優勝を果たした。就任初年度でのタイトルをもたらした指揮官は「3年計画の中でスタイルを変えながらチャンピオンに返り咲くクラブの目標も達成できた」と笑顔だった。

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 浦和は2019年末に、翌シーズンからの3年計画を打ち出した。初年度となった昨季は大槻毅監督が率いたが、今季からロドリゲス監督が就任。前年度の4-4-2をベースにした速さと強度を武器にしたサッカーから、ポジショナルプレーの要素をチームに加えながらシーズンを戦った。

 リーグ戦は6位、ルヴァン杯ではベスト4で終えたシーズンについて「良いシーズンだったと言える」と話してきた指揮官だが、常に「天皇杯で優勝できれば素晴らしいシーズンにできる」と言い続けてきた。

 そして、その集大成とも言える決勝戦、前半に先制点を奪うと後半45分に追いつかれて逃げ切りには失敗したものの、同アディショナルタイムにDF槙野智章が劇的な決勝ゴールを決めて2-1で勝利して、タイトルを勝ち取った。

 ロドリゲス監督は「決勝にたどり着くのは素晴らしいですが、その中でも勝者になったこと。この1年間、(浦和の)3年計画の中でスタイルを変えながらチャンピオンに返り咲くクラブの目標も達成できた。1年間、2年間、選手たちが積み重ねて来たことの結果だと思う」と振り返った。

 その上で、この優勝につながった原動力について、今季限りでの現役引退が発表されている主将のMF阿部勇樹や、契約満了が発表されている槙野、準決勝で決勝ゴールのDF宇賀神友弥といった存在だけでなく、チーム全体の力があったことを強調した。

「選手たちはハングリーさと野心を持つことが常に必要だが、それだけでなくベテランでも年齢関係なく、チームが1つになるための見本になる選手たちが貢献してくれたからこそここまで来られた。阿部や槙野、宇賀神も長い時間プレーをできたかと言えばそうではなかったかもしれない。限られた時間の中でも最大限を発揮してくれて、その過程での準備もしてくれた。

 ベテランもそうだが、なかなか試合に出られなかった選手、興梠やトーマス・デン、金子大毅、ほかの選手も含め、試合に出て良いプレーをするだけではなく、メンバーに入らなくて全力でチームへの取り組みをしてくれた。大事なのは、チームで何かを達成するためには試合に出られない選手でもチームのために戦う。それを実現できた。トロフィーを獲得できたのは、そういう裏で貢献してくれた選手のおかげだと思う」

 常にピッチ脇から大声で選手たちを鼓舞し続けた熱血漢であり、攻守においてチームを整理して構築する能力、さらに試合中の修正力と多くのものを見せてきた指揮官だが、最終的に重要視していたのはチームの一体感だった。この優勝で、シーズン中に常々こだわってきた来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権も手にした。

 ロドリゲス監督はACLについて「バンコク・グラス(タイ)にいた時にプレーオフは戦えたが、本戦には進めなかった。その舞台で戦いたい」と話していた。アジアの舞台で来季、ロドリゲス監督が率いる浦和がどのような戦いを見せてくれるか注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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