「4年前は責任を先輩に押し付けてた」 ドイツで研鑽積む浅野拓磨、クラブと代表で変化を実感「感じ方が変わってきた」

代表における立ち位置も変化「自分の感じ方が試合の大きさを表している」

 そんな変化が見えるのはクラブだけではない。代表における立ち位置だって4年前とは変わってきているという。

「自分の感じ方が試合の大きさを表しているなって改めて感じました。4年前の最終予選とは感じ方が変わったって思います。『俺がやったるぞ』っていう気持ちは今も持っているけど、やっぱり4年前は責任であったりプライドであったりっていうのを、先輩に押し付けて自分はやれることだけやる、というのに集中していました。けど、やっぱりこうやって歳重ねて、感じ方が変わってきているなって感じます」

 責任感が増し、ポジティブな雰囲気を大事にするが、自身のプレーにはいつでも改善点を探している。アシストは記録しているものの、まだ今季ゴールがないのはオフェンシブな選手として納得はいかないところ。それは本人も痛いほどよく分かっている。

「一番はやっぱりゴールですよね。チャンスは間違いなく作れている。これまでのブンデスもそうですけど、ゴール取るところが非常に難しい。そこに飢えて飢えて。でもそこだけにこだわらず、試合に出ている以上チームのために全力でプレーするというところは、自分が成長してこれたところだと思うので。守備のところもそうですし、攻撃のところでも献身的にプレーするところとか、もっともっとやっていかないとですね。結果は自ずと付いてくるっていうふうに捉えて、まずはやれることから100%やっていく」

 お得意のジャガーポーズをそろそろドイツで見たい。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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