ブラサカ英雄、絶望乗り越え史上初の引退試合開催へ 苦しむ人々へ光を「人生どうでもいいと」

ブラインドサッカーの体験会を行う落合啓士【写真提供:ONE CLIP】
ブラインドサッカーの体験会を行う落合啓士【写真提供:ONE CLIP】

「見えないことを武器と考えられると変わっていける」

 先が見えない不安から救ってくれたブラインドサッカー。自分自身を支えてくれたファン。引退試合を通して同じように苦しむ人々の希望を見出すため、覚悟を持って開催を決めた。ブラインドサッカーを始める前は周囲の「大変ね」という言葉が嫌だった。白杖を持つことが嫌だった。でも、競技を始めたことで子供たちには純粋に「どうしてできるの?」「すごい!」と称えられることが増えた。自分には見えないことが“武器”だと気づいた。

「5年後、10年後、医療が発達していろんな目の病気が治るかもしれないけど、今日本では全盲より弱視の方が多くて、狭間で苦しんでいる人がいる。僕の考えとしては人生の時間は砂時計のようにどんどん減っていく。ネガティブになる時間も必要かもしれないけど、一刻も早く僕みたいに光を見いだせて、ポジティブに人生の時間を過ごせた方がハッピーだと思う。見えないことをハンデと思うのではなくて、見えないことを武器と考えられると変わっていける。こういうところをクラウドファンディングや引退試合を通して、伝えていきたい」

 同じように苦しむ人、悩む人の明るい未来を築き上げるため、日本のブラインドサッカー界を支えてきたレジェンドは、次なる舞台でも次世代の光となり続ける。

[プロフィール]
落合啓士(おちあい・ひろし)/1977年生まれ、神奈川県出身。幼少期からサッカーを始め、10歳で網膜色素変性症を発症。18歳で視覚障碍者となり、2003年にブラインドサッカーを始める。同年に日本代表へ初選出。東京マスターズ、B.C.ぴんきぃず、つくばアスティガース、大阪ダイバンズなどに所属した。西日本リーグMVPに2度選出。日本代表としてはアジア大会や世界選手権など数々の舞台で活躍した。20年に現役を引退。同年8月から松本山雅B.F.C.で史上初の全盲監督を務めている。

■落合啓士の引退試合クラウドファンディング概要
https://camp-fire.jp/projects/523176/preview?token=vxkwshwq

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