日本の主審なら… 豪州戦の失点シーン、PK→FKの判定変更を呼んだ不透明な“VAR交信”を考察

オーストラリア戦でのVARが介入したシーンに注目【写真:高橋 学】
オーストラリア戦でのVARが介入したシーンに注目【写真:高橋 学】

オーストラリア戦でVARが介入した場面の主審の“行動”に注目

 日本代表は12日、埼玉スタジアムでカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に臨み、一時は同点にされるも後半41分の勝ち越しゴールで2-1と競り勝った。この一戦で話題を呼んだワンシーンがある。それが後半22分から同25分にかけて起こった、日本の失点へとつながる場面だ。

 後半、日本は追加点をなかなか奪えない状況が続き、同22分に最大のピンチを迎える。オーストラリアに左サイドの深いスペースを突かれ、マイナスのクロスへの対応が遅れた。後ろから走りこんできたオーストラリア代表“10番”MFアイディン・フルスティッチに日本代表MF守田英正がスライディングで阻止を試みたが、主審はペナルティーキック(PK)の判定。ペナルティーエリアぎりぎりの場所だったため、当然、確認のためにビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入すると思われた。

 しかし、主審はVARと交信する素振りを見せず、着々とPKの準備を進める。日本ベンチも抗議をしていたが、取り合われていない様子だった。しばらくしてそのままPKが行われると思われたが、主審が突如笛を吹き判定をフリーキック(FK)に変更。後半25分、そのFKをフルスティッチに決められ日本は同点に追い付かれた。

 不思議だったのは、レフェリーが“VARと交信する素振りを見せなかった”ことだ。主審がVARと交信する際、耳に片手を当てもう片方の手を前に伸ばす“合図”はJリーグでもよく見られる。見ている側にも、VARが確認していることが伝わる良いアクションだからだ。しかし今回の主審にはその“合図”がなく、唐突に判定が変更された。このことで、違和感を覚えた人は多かっただろう。

 最終予選はスポーツチャンネル「DAZN」でも配信されていたが、解説を務めていた元日本代表監督の岡田武史氏も、判定変更の瞬間には「なんで!? VARあるなら早く見てくれよ!」と素直な気持ち声を上げていた。

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