新生なでしこ、世界女王アメリカに劇的ドロー! 大儀見退場も”女メッシ”が後半ATに同点弾

完全アウェーのなかで数的不利をはね返し、横山が起死回生の一撃

 新生“高倉なでしこ”は、敵地で世界王者アメリカにドロー発進となった。2日(日本時間3日)、なでしこジャパンはコロラド州デンバーでアメリカ女子代表と国際親善試合を行った。高倉麻子監督にとって初陣となるこのゲームは、FW岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン)の先制ゴールとMF大儀見優季(フランクフルト)の追加点で前半に2点をリード。しかし、相手FWアレックス・モーガンに2ゴールを許すと、後半12分にはMF大儀見が退場処分。試合終了間際に逆転ゴールを許したが、直後にFW横山久美(AC長野)が同点ゴールを決めて3-3で引き分けた。

 8月のビッグトーナメントであるリオデジャネイロ五輪への出場を逃した日本にとっては、仕切り直しの初戦になった。2011年ドイツ女子ワールドカップ優勝など華々しい結果を残した佐々木則夫前監督の退任後、アンダー世代を世界一に導いた高倉麻子監督が就任。リオ五輪での金メダル連覇を目指す“本気モード”のアメリカが初陣の相手になった。

 先発メンバーは、これまでに経験を積んできた選手たちと高倉監督が初選出した選手たちが融合した顔ぶれになった。最終ラインにはUEFA女子チャンピオンズリーグをリヨンの一員として制したばかりのDF熊谷紗希が入る一方、左サイドバックには初選出のDF佐々木繭(仙台)がデビュー。中盤は10番を受け継いだMF阪口夢穂(日テレ)とMF宇津木瑠美(モンペリエ)のダブルボランチに、2列目左サイドに大儀見を起用。トップ下には2部から選出されて初代表のMF千葉園子(ASハリマアルビオン)がデビューし、岩渕が1トップに入った。

 前半14分、その岩渕がいきなり魅せた。MF阪口からのショートパスをペナルティーエリア右サイドの角付近で得た岩渕は、そこからフェイントをかけて相手DFを外すと、左足を振り抜いた。鮮やかな放物線を描いたボールは、女子の世界最強GKホープ・ソロが伸ばした手の先を抜けてゴール左サイドネットに吸い込まれた。

 新生なでしこの勢いは止まらない。同22分、敵陣でショートパスを細かくつないだところから、右サイドでフリーになったMF中島依美(INAC)がダイレクトでクロスをゴール前へ。相手DFの背後から一気に前に入ったMF大儀見が右足で合わせてゴール左に蹴り込み、2-0とリードを広げた。

 しかし、ここからホームのアメリカの反撃を受けた。同27分、日本の左サイドを一気に突破されると、中央へのグラウンダーのクロスを“なでしこキラー”FWアレックス・モーガンに決められて2-1と追い上げを許した。

 それでも、なでしこは局面での激しい守備とパスワークでのポゼッションを両立させてゲームを進め、同42分にはMF中島のミドルシュートがクロスバーを直撃する惜しいシーンも作り、1点リードのままハーフタイムを迎えた。

 

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