なぜオウンゴールの“嘲笑字幕”が発生? 韓国放送局、ずさんな管理体制を母国紙指摘

ルーマニアMFマリウス・マリンがオウンゴールをした直後の瞬間【写真:AP】
ルーマニアMFマリウス・マリンがオウンゴールをした直後の瞬間【写真:AP】

「MBC」は問題となった開会式で、事前に字幕を確認していたがまさかの“スルー”

 韓国の放送局「MBC」は、25日に行われた東京五輪男子サッカーのグループリーグ第2戦・韓国対ルーマニア戦(4-0)で、相手選手のオウンゴールに関して、不適切な字幕を出して波紋を呼んだ。放送局の社長が謝罪会見を開く事態にまで発展したが、母国メディアは開会式で不祥事を犯した制作スタッフによる“ミスの再発”だったことを指摘している。

 韓国はルーマニアと対戦したグループリーグ第2戦、0-0で迎えた前半27分にFWイ・ドンジュンが右サイドからゴール前へクロスを上げると、スライディングでクリアを試みたルーマニアMFマリウス・マリンのボールが無情にも自軍のネットに突き刺さり、オウンゴールとなった。

 その後、前半45分にルーマニアMFイオン・ゲオルゲが2枚目のイエローカードで退場となり、数的優位に立った韓国。途中出場のイ・ガンインがPKを含む2ゴールを挙げるなど、4-0で勝利を飾った。この一戦の前半終了後、「MBC」は広告映像の画面右上で1-0のスコアを伝えるテロップを掲出した際、「ありがとう、マリン」という文字まで出す軽率な行動を犯してしまったのだ。

「MBC」は23日の五輪開会式の中継で、ウクライナ選手団の入場行進の際に1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の写真を示してウクライナを紹介。インターネット上などで批判が相次ぎ、「不適切な写真を使用した」と謝罪していた。相次ぐ不祥事に、同局のパク・ソンジェ社長は26日に記者会見を開き、「世界的に新型コロナウイルスが猛威をふるう状況で、地球人の友情や連帯、和合というオリンピック精神を毀損する放送を行った。心に傷を負った該当国家の国民と失望された視聴者のみなさんに最高責任者として深く謝罪する」と謝罪。今後は再発防止対策を強化し、「視聴者たちの信頼を回復させる」と誓った。

 そのなかで、韓国紙「朝鮮日報」は「MBC、開会式の“参加国侮辱”字幕、リハーサルですべてのサブタイトルを確認するもスルー」との見出しで、「MBC」のずさんな体制を明らかにしている。

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