セリエA「緑色ユニフォーム禁止」とクラブカラー 色はサポーターの“最後の砦”

緑色のユニフォームでプレーをしてきたサッスオーロの選手たち(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
緑色のユニフォームでプレーをしてきたサッスオーロの選手たち(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

【識者コラム】22-23シーズンから着用禁止、サッスオーロの対応に注目

 セリエAで緑色のユニフォームが禁止になるらしい。2022-23シーズンから、緑色のジャージをフィールドプレーヤーが着用することを禁止するとリーグが発表している。

 緑がダメなのは視認性の問題で、芝生と同色ではスタンドやテレビ観戦するファンにとって見にくいという理由だ。また報道によると、テレビ中継でユニフォームとピッチの色が同化するというクレームが放送局からあったという。

 この規定が例外なくすべての試合に適用されるのか、緑といっても範囲があるだろうからどの程度の緑がダメなのかなど、まだ分からないところが多々あるのだが、色覚障害にも対応したバリアフリーという趣旨なのだろう。

 Jリーグではすでに視認性を高めるために「Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー」を導入して書体を統一している。確かにスタンドから見ても判別しにくい、あるいはほとんど見えない背番号があったものだ。スマホやタブレットでの観戦となるとなおさら。おそらく視聴環境の変化は、今回のセリエAの緑色禁止とも関係があるに違いない。

 セリエAで緑のホームカラーといえばサッスオーロである。緑と黒の縦縞だ。施行が22年夏からなので、それまでになんらかの対応をすることになるのだろうが、クラブカラーを他の色に変えるということにはならないと思う。

「色」はサポーターにとって最後の砦だからだ。

 毎シーズン、選手が変わり監督も変わる。ゴールパフォーマンスで胸のエンブレムにキスをしてクラブへの愛情を示したはずの選手も、あっさりと移籍していく。生え抜きの選手はかなり珍しくなった。唯一、変わらないのはもう色だけなのだ。

 だからもし、サッスオーロのカラーを他の色に変えなければならないとしたらファンからの反発は容易に予想される。色はアイデンティティー、忠誠、愛着、スピリットである。仮にマンチェスター・ユナイテッドの赤を水色に変えるなどという事態になったら、暴動騒ぎになるのではないか。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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