【月間表彰】「ゴールは一番意識しています」 福西崇史×荒木遼太郎対談…19歳“トップ下”の強い意志

荒木が「鹿島に行けば間違いなく成長できる」と感じた理由とは?

福西 東福岡高校で活躍して、その後、プロ入りする際には鹿島を選びましたが、選んだ理由はなんだったのでしょうか?

荒木 練習参加させてもらった時に、練習からすごくタフだったんです。試合を想定しているのか、本当に激しくて、「これは試合より強度が高いのではないか」という練習をしていました。それで「鹿島に入れば間違いなく成長できるな」と感じたので、鹿島に行きました。

福西 高卒1年目から出場していますが、高校時代とプロの一番の違いはなんですか?

荒木 すごく単純な話なのですが、止めて蹴るという基本技術で、プロの選手はみんな本当にミスをしません。それにプレスの寄せのスピード、間合いも違いを感じましたね。パワーも強い選手は、吹っ飛ばされるくらいなのですが、そこは駆け引きとかで対応するのが得意なところでもあるので、うまく回避したり、相手のパワーを使って逃げたりというのはやっています。

福西 プロに入って最初は緊張したと思うのですが、1年目から慣れましたか?

荒木 自分はサッカーの試合だとあまり緊張しないタイプなので、開幕戦でも意外と緊張せずに入ることができたんです。しかも、鹿島の場合は練習よりも試合がラク……と言うと、言い方が良くないのかもしれませんが、試合よりも練習に慣れるほうが大変でした。それこそ10月くらいになって、やっと練習に慣れたかなと思えるようになって、そこから自信がついていきました。

福西 すごいですね。練習で通用したのが大きかったんですね。

荒木 そうですね。練習で通用しないことが多かったので、それが通用するようになると、本当に自信がつきましたね。

福西 強豪チームは良く、紅白戦が一番きついって言いますよね。僕がいた時の磐田もそうだったのですが、Bチームの選手は試合に出たいし、Aチームの戦術ややり方も良く知っている。研究されているというより、もう分かられている相手にどう勝つかは本当に大変でした。でも、その経験があると、試合で思い通りにできるんですよね。それを1年目から感じられるのは凄いと思います。試合では、1年目から結果を残せたなと感じますか?

荒木 今、あらためて振り返ると、自分のところでもっと決めていれば、チームがもっと上の順位に行けたというのがあるので、良い結果だったとは言えないと、自分のなかでは思っています。

福西 僕らの時は1年目から活躍はなかなかできませんでした。僕が自分が中心になっていると思ったのは、5年目くらいですね。でも、荒木選手のプレーからは『1年目からチームの中心でやってやる』というのが見えていたのですが、そこまで考えていたとは思いませんでした。個人的には、まだまだやれたなという感覚ですか?

荒木 そうですね。まだまだやらなきゃいけなかったという感覚ですね。チャンスも本当に多くありましたし、たくさん試合にも出させてもらっていたので、もっともっとできたんじゃないかなと思っています。

福西 1年目を終えて、2年目の今シーズンを迎えるにあたり、何か心境に変化は出てきたりしましたか?

荒木 やっぱり体作りというのは、自分のなかで意識するようになりました。サッカーで言うと、自分が真ん中の位置でボールを持った時に、周りの選手をどう生かすかは、昨年のサイドハーフから、今年トップ下をやることになって考えるようになりましたね。ゴールから逆算して、どうすればシンプルに、早くゴールまで行けるかを意識しながらプレーしています。

福西 チャンスメークすることももちろんですが、自分でゴールを取るという意識も高い?

荒木 そうですね。ゴールは常に目指しています。

福西 今回、相馬直樹監督が就任して、鹿島は大きく変化したと思いますが、一番変わったところは何かありますか?

荒木 やっぱり守備の部分が前に比べてコンパクトになりました。今はチームとしても非常に良いディフェンスができているかなと思っています。

福西 個人的に要求されることはありますか?

荒木 守備では言われますね。ただ、攻撃に関しては、のびのびとさせてもらっています。特に言われることもなくて、前で自分の持ち味を自由に出してこいという感じなので、真ん中でサイドに振りながら、攻撃を活性化させることは常に意識しています。

福西 見ていて荒木選手に対する対戦相手のマークがきつくなっていると感じますが、それは感じていませんか?

荒木 最近、感じたのは川崎フロンターレ戦ですね。自分のパスから(上田)綺世くんが、ゴールを決めたのですが、すぐに川崎が2ボランチにして対応してきました。すぐに対策されるから、今後、そこをどう打開するのかも考えないといけないなと思っています。

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