東大サッカー部、異例の挑戦 “学生GM”が元Jリーガー監督を招聘、世界的企業とも契約

学生主体のプロモーションユニットが動き世界的企業とスポンサー契約

 高橋は林氏と「ダメ元でお話をさせていただきました」と当時を振り返る。

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「林監督に行き着いたのは水戸ホーリーホックのGM、西村卓朗さんの存在がきっかけでした。西村さんは前に練習を見に来てくださったことがあって、僕もお話をさせていただいていたんです。その西村さんを通じて、水戸でもプレー経験のある林監督にコンタクトを取ることができました。

 林監督は最初から僕らのオファーに興味を持ってくださって、そこから先は割とスムーズに進んでいきました。林監督以外にもすでに監督経験のある方から、若くて最近指導者を始めた方など数人をリストアップしていましたが、それにしても選択肢は決して多くなく、そこは反省というか限界を感じていた部分でもありました」

 高橋は「OBの方々から多くの支援を頂いていますし、その他にも周りの方々が力を貸してくださいました。それはプロチームだったら、もちろんありえないことですよね。手応えはありますが、まだまだ足りない部分もあったなというのが正直なところです」と、強化ユニットとしての最初の大仕事を振り返った。

 学生主体の取り組みは、決して“強化部”だけではない。

 チームのプロモーション活動を担うプロモーションユニットでは、今年4月に世界的コンサルティングファームのアクセンチュア株式会社、資産運用会社のレオス・キャピタルワークス株式会社とのスポンサー契約を締結。これらは林監督の招聘を実現させた大きな要因の一つとなった。

「スポンサーシップ契約に関しても、僕らのように学生が直接アプローチをかけてというのは他ではあまりないと思います。昨年はコロナで活動が限定的になってしまった分、ピッチ外のところは問題意識を持ってやれていたのかなと思います」(高橋)

 東大ア式蹴球部ならではの活動が、少しずつ結果として表れるようになっている。

 他にもスタッフを海外クラブへ派遣するインターンの計画を進める国際的活動ユニットも立ち上がるなど、サッカーを通して様々な取り組みを行うところに東大ア式蹴球部の特色が表れている。プログラミングが得意なスタッフや、授業でGPSと加速度センサを搭載したウェアラブルデバイスを自作するスタッフがいるなど、様々な分野のリテラシーを持った人材が揃っているのも東大ならではと言えるだろう。

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