ドルト指揮官は宿敵へ移籍する“裏切り”主将にも賛辞 「彼レベルの選手は見つからない」

失った偉大なキャプテン

 ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督が、バイエルン・ミュンヘンヘの移籍が決まったドイツ代表DFマッツ・フンメルスについて「彼レベルの選手を見つけることはできない」と、その偉大さを語った。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」が報じた。

 トゥヘル監督は精神的支柱だった主将の移籍は、チームに大きな打撃を与えると分析している。「われわれは真のパーソナリティーを持つ、キャプテンを失った。彼と同レベルの選手を見つけることはできないだろう。新しい解決策を見つける必要がある」と、代替不可能な存在がチームから去ることを嘆いた。

 セルビア代表DFネヴェン・スボティッチにも移籍の可能性が浮上していることもあり、DFラインの補強は必要不可欠となる。バレンシアのドイツ代表DFシュコドラン・ムスタフィや、レバークーゼンのトルコ代表DFエメル・トプラクといった選手の獲得がうわさされるが、トゥヘル監督は「マッツの穴を埋められるような選手を探そうとするのは、大きな間違いになり得る。選手を失っても、ヒエラルキーの中にもチャンスはある。これはチャンスでもあると理解している」と、チーム内から新たなDFリーダーが台頭する可能性もあると主張した。

 守備だけではなく、精度の高いフィードや、相手陣内まで攻め上がってラストパスにつなげる技術を持ち合わせたフンメルスは、攻守両面でチームの中心となっていた。宿敵への移籍を決断し、ファンの間では“裏切り者”というレッテルを貼られてしまった。だが、トゥヘル監督は最後まで偉大なキャプテンへの賛辞を惜しまなかった。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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