パルチザン社長、浅野拓磨の契約解除問題に声明 「アサノの一件はシンプルに詐欺だ」

セルビア1部パルチザンを退団した日本代表FW浅野拓磨【写真:Getty Images】
セルビア1部パルチザンを退団した日本代表FW浅野拓磨【写真:Getty Images】

2016年からパルチザンの社長を務めるヴチェリッチ氏は、UAEへの“売り飛ばし”も否定

 日本代表FW浅野拓磨がセルビア1部パルチザンとの契約を解除した問題は、現地セルビアで波紋を広げた。退団理由の一つとして浅野は度重なる給与の未払いを挙げていたなか、パルチザンの社長を務めるミロラド・ヴチェリッチ氏は声明で、「現時点でパルチザンに対してある種の“先入観”があるようだ」と主張している。

 浅野は自身のSNSなどを通じ、パルチザンとの契約解除を発表。しかし、クラブ側は一方的な契約不履行との見解を示し、公式サイトで「根拠のない退団と契約条項の違反により、すべての法的手段を取り、FIFA(国際サッカー連盟)の管轄機関に対して訴訟を起こす」と訴えるなど、波紋が広がっている。

 退団した要因について、浅野は度重なる給与の未払い、それに対するクラブの不誠実な対応を挙げていたなか、2014年にパルチザンの副社長となり、16年から社長に昇格したヴチェリッチ氏は声明を発表。その内容をセルビアメディア「Mondo.rs」が伝えている。

「アサノの一件はシンプルに詐欺だ! 彼を雇いたいクラブによるものだと思うが、UEFAの規定では彼がしたことは認められていない。契約書では我々の主張は有効だ」

 またヴチェリッチ氏は、パルチザンが浅野の意思に反し、中東、とりわけUAEのクラブに放出しようとしていたという報道は強く否定している。

「UAEから具体的なオファーはなく、関心を示したクラブがあっただけだ。給料支払いの遅延があったとしても、彼(浅野)は15日前にクラブに警告する必要があったが、そうはしなかった。イタリアでは(今季)インテルが(選手への給与)支払いが大きく遅れたが、優勝を果たしている。どうやら現時点でパルチザンに対してある種の“先入観”があるようだ」

 リーグ戦を4試合残し、25日にはカップ戦決勝のレッドスター・ベオグラード戦を控えるなかで、チーム最多スコアラーの浅野が抜けるダメージはパルチザンにとって大きいものであることは想像に難くない。37歳の元セルビア代表GKヴラジミール・ストイコビッチも、「私は彼の決定を尊重するが、あと20日待つことができたのではないか」と語っていたが、“タイミング”が事態をより深刻なものにさせているようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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