英サッカー界、反人種差別へ「SNSボイコット」実施 各クラブのアカウントも停止

ソーシャルメディアのボイコットを実施すると正式に発表した【写真:Getty Images】
ソーシャルメディアのボイコットを実施すると正式に発表した【写真:Getty Images】

今月末から4日間の実施を正式発表、プレミアリーグなどサッカー関連の団体が参加

 プレミアリーグ公式サイトは現地時間24日、今月末に4日間のソーシャルメディアのボイコットを実施すると正式に発表した。プレミアリーグ、イングランドフットボールリーグ(EFL)、ウィメンズ・スーパーリーグ(WSL)のクラブをはじめ、イングランドサッカー協会(FA)や反人種差別団体の「Kick it Out」なども賛同してボイコットを行う。

 このボイコットはSNS上で横行する差別的問題に取り組むために発案されたもの。プレミアリーグ公式サイトによれば、期間は現地時間4月30日の午後15時から、5月3日の23時59分まで。プレミアリーグ、イングランドフットボールリーグ(EFL)、WSL、ウィメンズチャンピオンシップのクラブは期間中、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムのアカウントをオフにするという。

 その他にもFAをはじめ、フットボールサポーターズ協会やリーグ監督協会、プロ審判協会(PGMOL)といったサッカー関係の団体もボイコット参加の意思を表明している。

 英公共放送「BBC」によれば、イングランドの反人種差別団体「Kick it Out」のサンジェイ・バンダリ氏は今回のボイコットについて「これは私たちの怒りの結集を意味する。残念なことにソーシャルメディアは有害な虐待の場となってしまっていた」とコメントしている。SNSが人種差別行為の温床となっていることを危惧した上で「私たちはみんなに行動を起こしてもらいたい。変化を起こしてほしい」と呼びかけている。

 昨年、人種差別を受けたシェフィールド・ユナイテッドのアイルランド代表FWデイビッド・マクゴールドリックは24日のブライトン戦(1-0)後、「スーパーリーグは48時間で消滅したというのに、なぜ人種差別は後回しにされているんだ。僕の目にはもっと大きな問題として映っている」と訴えた。深刻な問題となっている人種差別に対し、イングランドがサッカー界をあげて取り組む意思を見せている。

 そして、いち早くSNSボイコットを宣言していたアーセナルの“英雄”元フランス代表FWティエリ・アンリ氏もプレミアリーグらの決定を支持。英紙「ザ・サン」によれば、同氏は「イングランドのサッカーがソーシャルメディアから離れることは力強い声明です。試合の美しさや幸せを壊そうとするものに対し、我々は戦うべきです。これは私にとって最も幸せな瞬間です。サッカーは象徴だ。お金だけのものではありません」とコメントし、このボイコットがサッカーの価値を守るためのアクションだと主張した。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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