「神のウォーミングアップ」 天才マラドーナ、伝説の美技リフティング映像に再脚光

ナポリ時代の元アルゼンチン代表の英雄ディエゴ・マラドーナ【写真:Getty Images】
ナポリ時代の元アルゼンチン代表の英雄ディエゴ・マラドーナ【写真:Getty Images】

1989年4月のUEFAカップ準決勝バイエルン戦前に見せた伝説の美技に海外メディアが再注目

 元アルゼンチン代表の英雄で、20世紀のサッカー史にその名を刻んだディエゴ・マラドーナは、昨年11月25日に60歳でこの世を去った。偉大なレフティーが残した数々の功績は世界中で語り継がれているが、海外メディアは32年前の4月19日に生まれた伝説のウォーミングアップ映像に注目。「永遠のディエゴの魔法の瞬間」と綴って振り返っている。

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 アルゼンチン代表の“10番”として、1986年のメキシコ・ワールドカップ(W杯)を制覇。「5人抜きドリブル」や「神の手」など数々の伝説を残したマラドーナは、クラブではバルセロナ在籍後の1984年から91年までナポリに所属し、2度のセリエA制覇などチームに黄金時代をもたらした。

 クラブにおいてマラドーナが最も輝いたと言えるナポリ時代だったが、試合以外でも伝説のシーンを作っている。アルゼンチンのスポーツ専門局「TyCスポーツ」は19日、「史上最高のウォームアップ」と綴り、32年前の同日に行われた1988-89シーズンのUEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)準決勝第2戦、バイエルン・ミュンヘン対ナポリ戦の試合前に、マラドーナが見せた“神リフティング”にスポットライトを当てている。

 ミュンヘンのオリンピア・シュタディオンで行われた一戦。試合前の会場に流れる大音量の音楽に合わせて、体を小刻みに揺らしながらステップを踏むマラドーナは、飛んできたボールを吸い付くような“神トラップ”で左足に収めると、そこからワンマンショーが開演。ボールを足の甲、太もも、肩、そして頭に乗せながら、次々とリフティングの美技を繰り出していった。

 お手本とも言うべきキックやトラップの技術、そして何よりも全身でサッカーを楽しむ姿が収録された映像は、これまで何度も脚光を浴びてきたが、32年が経過した今回も多くの海外メディアが反応しており、米スポーツ専門局「ESPN」のスポーツ情報番組「スポーツセンター」公式ツイッターが、「永遠のディエゴの魔法の瞬間は常に記憶されている」と伝えれば、アルゼンチン紙「クラリン」も「神のウォーミングアップ」「オリンピコのスタンドに催眠術をかけた」と振り返っている。

 ブラジルの“王様”ペレやアルゼンチン代表の“後輩”であるFWリオネル・メッシ(バルセロナ)など、時代を超えた名選手との比較論はこれまで何度も世界中で議論されてきたが、往年のファンにとってマラドーナはやはり別格の存在。偉大なプレーの数々は永遠に語り継がれていくはずだ。

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