清水、大型補強も…“期待はずれ”の序盤戦 巻き返しへ選手が語る手応えと修正点は?
【J番記者コラム】苦手の浦和に敗れ今季初の2連敗、徳島戦の敗戦から修正しきれず
清水エスパルスは2013年4月27日に開催されたJ1リーグ第8節アウェー戦以来、4試合の引き分けはあるものの、8年間、13試合連続で浦和レッズからの勝利がなく、ホームゲームだけで見れば勝利は2011年まで遡ることになる。監督も選手も毎年のように入れ替わることを考えれば、やはり「相性」ということになるのか……。
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今シーズンは両チームともにJリーグで実績のあるスペイン人新指揮官であるミゲル・アンヘル・ロティーナ監督、リカルド・ロドリゲス監督を招聘してスタート。新戦力も清水はこの試合にGK権田修一、DF原輝綺、DF鈴木義宜、MF中山克広、FWディサロ燦シルヴァーノ、FWチアゴ・サンタナの6人が先発出場。浦和もMF小泉佳穂、MF明本考浩が先発。大卒ルーキーの伊藤敦樹も途中出場を果たした。お互いに新戦術に取り組んでいるなか、ここまで2勝2分3敗の勝ち点8と同じ成績となっており、どちらのチームの戦術がより浸透し、試合内容と同時に勝ち星を五分に戻すのかを注目していた。
前節に清水は、昨シーズンまでロドリゲス監督が4年間指揮し、J2で優勝して7年ぶりにJ1復帰した徳島ヴォルティスに0-3の完敗。しかし、その試合での課題を時間がないなかでも修正し、この試合に臨んだ。徳島戦後に一番の改善点について、ロティーナ監督は「プレスの部分をより明確にする必要がある」と話し、この試合では浦和のビルドアップに対して深追いはせずに全体のコンパクトさを保ち、中央を締め「行く、行かない」という部分を整理して浦和の攻撃の組み立てに対応した。清水は先発メンバーを敗戦した前節から6人入れ替え、逆に浦和は勝利した前節の先発と控えの18人を全員同じメンバーとした。
徳島に比べれば浦和のビルドアップにはミスもあり、また清水がボール持った時のプレッシャーも前節ほど苦しめられるものではなかったため、試合内容はお互いに相手の出方を窺い、GKを含めた最終ラインでボールを回すことが多く、お互いの前半のシュート数は1本で終わったが、その1本のシュートがチームの明暗を分けた。
清水のシュートは前半34分に浦和のビルドアップをサンタナが引っかけて、ボールを拾ったMF竹内涼が前方の中山につけた。中山はペナルティーエリア内から右足を振り切ったが、わずかにゴール左ポストの外を通過するシュートとなった。逆に後半40分、浦和に左CKを与えると、DF山中亮輔からの正確なボールをDF岩波拓也に頭で合わされ、初シュートで先制点を献上してしまった。セットプレーをゾーンで守る清水は、竹内とのミスマッチが発生しての失点となった。
下舘浩久
しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。