J2金沢、異例の“アパレルショップ戦略”の意味 クラブへの「入口をどう作るか」

今後もヒュンメルさんとコラボしたアパレル等を計画をしている【写真:村田 亘】
今後もヒュンメルさんとコラボしたアパレル等を計画をしている【写真:村田 亘】

「ほかには負けないことをしたいと、いつも思っています」

――年齢層としてはどれくらいの方が多く来店されましたか?
「購入者は40代の男性が多くて、ここはスタジアムと同じです。それでも来店していただける方は10代20代の方も多くて、カップルでいらっしゃるケースも結構多かったです。その人たちにもう少しリーチできると良かったんですけどね。商品でなくてもスタイルブックなど、最後に持って帰ってもらえるものを用意したかったなって。実は最初は置こうかと思っていたんですけど、そこまで手が回らなくて。そこはもったいなかったですね」

――手が回らなかったというのも、販売、レイアウト、搬入・搬出といったほとんどの仕事をクラブスタッフが行っていたんですよね。ヒュンメルの商品についても説明したり販売したりしていました。
「そうです。最初はアルバイトを入れようと思っていたんですけど、いろいろ計算すると難しいかなとなりました。ここは人件費を削るしかないということで、開幕前のかなり大変な時期だったのでスタッフのみんなにも『申し訳ない』と謝りました。でも普段はヒュンメルさんと接する機会がないスタッフがブランドや商品について理解を深めたり、実際にお客さんと触れ合って直接声を聞けたのはよかったと思います。初日などはヒュンメルさんのスタッフにも入っていただいたんですけど、物を売るプロの方たちと一緒に仕事をして陳列や在庫の管理の仕方など新しくおぼえたこともたくさんありますし、逆にヒュンメルさんからも僕らの『SNSでの発信や見せ方が勉強になった』と言ってもらいましたので、お互いにとって良かったなと思います」

――単にユニフォームを提供する・されるの関係ではなく、新たなパートナーシップの形を作ろうとしているように見える両者ですが、次の展開はなにか考えていますか?
「ヒュンメルさんとコラボしたアパレルはこのあとも用意していますし、3rdユニフォームの計画は進んでいます。ここでヒュンメルさんとわれわれの『らしさ』を発揮できればいいかなと考えています」

――アパレルの店舗展開第2段などはいかがですか?
「あまり時間をおかずにやりたいんですけど、マンパワーを考えるとオフシーズンじゃないと難しいかなとも思っています。ただありがたいことに、今回の期間限定ショップにはたくさんのお店の関係者も見に来ていただいたようで、いろいろと興味を持っていただいています。それから、自分たちでお店をずっと運営するのは難しいですけど、実際に手に取って見てもらうことの重要性をあらためて感じたので、WAYZを置いてもらえる店舗を真剣に探そうかなと思っています。いまはほとんどがネット販売なので、実際に置いてもらえるショップを探そうかなと」

――期間限定でも実店舗を運営したことで認知度も上がって、いろいろと次の動き方が見えてきたんですね。
「僕らはJクラブで初めてアパレルブランドを立ち上げて展開したという強みも思いもあるので、ほかには負けないことをしたいと、いつも思っています」

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