C・ロナウド“幻の決勝弾”騒動の背景に海外注目 なぜVARやGLTはなかったのか

ポルトガル代表FWクリスティーノ・ロナウド【写真:Getty Images】
ポルトガル代表FWクリスティーノ・ロナウド【写真:Getty Images】

セルビア対ポルトガルで起きた疑惑の判定、シュートがラインを越えるも得点認められず

 カタール・ワールドカップ(W杯)欧州予選グループAのセルビア対ポルトガル(2-2)の一戦で、ポルトガル代表FWクリスティーノ・ロナウドのシュートがノーゴールとなった判定が物議を醸した。同時に今予選でゴールラインテクノロジー(GLT)やビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が使用されていないことが話題となっている。各国リーグではお馴染みとなっているVARやGLTは、なぜ使用されていなかったのだろうか。

 問題のシーンは現地時間27日に行われた試合の、後半アディショナルタイムに起きた。ロナウドは味方からの浮き球パスをペナルティーエリア右から右足ダイレクトで合わせた。シュートはゴールライン際でカバーに入った相手DFにクリアされたが、ボールがラインを割っていたようにも見える際どいプレー。だが主審はノーゴールと判定した。

 ゴールを確信していたロナウドは副審に猛抗議するも実らず。この試合には判定の明らかな間違いに介入するVARや、ボールがゴールラインを割ったかどうかを見極めるGLTが使用されていなかったため、判定が変更されることはなかった。一方で、試合後にポルトガル代表を率いるフェルナンド・サントス監督が、主審から判定について謝罪を受けたことも明かしていた。

 W杯予選でのVARやGLTの使用はFIFAとの合意の下、各大陸連盟に判断が委ねられており義務付けられたものでない。スペイン紙「マルカ」は「なぜW杯予選でVARやGLTがないのか?」と見出し打ち、欧州予選で使われていない理由について「その答えはとても簡単だ。予選に参加するすべてのスタジアムがVARやGLTを使用できる設備を備えているわけではなく、一部のスタジアムでは使用し、他のスタジアムで使用しないというのは不公平だと判断された」と伝えている。

 そのうえで同紙は、何かと俎上に載せられることの多いVARが普段とは異なる観点から再び議論を呼んだと指摘している。

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