三好康児、欧州2季目の葛藤と手応え 新監督の下で苦戦「日本人だからと見られないよう」

ベルギー1部アントワープ日本代表MF三好康児【写真:Getty Images】
ベルギー1部アントワープ日本代表MF三好康児【写真:Getty Images】

【三好康児インタビュー】1月に新型コロナウイルス罹患後、出番が激減「難しい」

 日本代表MF三好康児は、ベルギー1部アントワープで2年目を迎えた。2019年夏に欧州挑戦を決意した23歳は、自身の強みと課題を分析し、東京五輪やカタール・ワールドカップ(W杯)出場に向けて日々奮闘している。1月に新型コロナウイルス罹患後はフランキー・ベルコーテレン新監督の下、なかなか出番をつかめない状況が続いているが、葛藤しつつ現況打破を誓った。(取材・文=Football ZONE web編集部・小杉 舞)

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「1年目は怪我もあってなかなか思うように試合に出られなかったシーズンだった。そのなかでコロナ禍になってしまって、終わってしまったので不完全燃焼だった。(2年目は)監督も代わって最初は試合に絡めなかったけど、準備してアピールすることで試合に出られるようになって、年末までは(イヴァン・レコ)前監督の下でリーグだけでなく、UEFAヨーロッパリーグ(EL)でも自分を表現できた」

 順調な道を歩みつつあると感じ始めた時だった。1月に新型コロナウイルスに罹患。2週間の離脱を強いられる直前に監督が交代したため、ベルギー人のベルコーテレン新監督の下ではスタートダッシュに遅れ、なかなか出番を掴めていない。

「手応えを感じてやれていたなかで、監督が代わってサッカーもいろんなものが変わった。そこで一からというところで、欧州の監督からしたら日本人というだけで序列は低いと思う。特に知らない選手というところもあって、そこをアピールしていかないといけないのは、大事な部分というか難しい部分。日本人だからというところで見られないような結果を残していれば第一候補として使ってもらえると思うし、そこの結果を出せていないのは自分の実力」

 昨季は14試合1得点。今季はここまで16試合に出場しているが、新監督の下で先発出場は一度もない。欧州に挑戦する“日本人選手”がぶつかる壁に悩まされていることを実感する。

「直接『日本人だから』と言われるわけではないし、すべての選手に当てはまるわけではないけど、自分は小柄だし、特にこっちだと一際小さく見える。自分の特徴をどうやって出すか、認めさせていくしかない。ぱっと見は小さくて弱い日本人だと見られてしまうし、言葉も最初からハキハキ話せるわけではない。だからより一層自分のプレーで見せていかないといけない。そこは難しいところ」

 だからこそ努力は怠らなかった。日本にいる時から将来を見据えて英会話に通い、現在でも週2、3回は家庭教師をつけている。前監督時代には、自身の思いを伝えたことで出番を掴みとった。結果だけではなく、日頃から一流の振る舞いを心がけている。

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