“常識外れ”のレスター快進撃 現代サッカーの潮流に反した2つの采配術

ポゼッション率はリーグ18位

 そんな“脱ローテーション制”とともに“脱ポゼッション”でも、レスターは際立っている。平均ポゼッション率はリーグ18位、そしてパス成功率はプレミア最下位の70.1%。この数値でトップのアーセナルが84.2%を記録しているのとは対照的だ。

 ラニエリ監督自身はポゼッションスタイルの信奉者であるが、昨年9月の段階で「ボールポゼッションするのは好みだが、我々のチームにはそういったタイプを持っている選手はいない。だからこそ私は、このチームで“縦に速い”スタイルを標榜している」と話しており、ヴァーディらのスピードを最大限に生かしたカウンタースタイルを徹底することを割り切っている。

 クラブが選手獲得の際に最もお金を費やしたのが今季加入した岡崎で、それでも移籍金は700万ポンド(約12億8000万円)。他のメガクラブにしてみれば“はした金”クラスである。ピッチ内外で現代サッカーの潮流に逆行しているレスターだからこそ、優勝が近づく奮闘ぶりが“おとぎ話”と称されているに違いない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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