ミラン強化部は見る目なし!? “至宝”に続き22歳の技巧派MFが新天地で輝く

今季放出のエル・シャラウィに続く失策か

 今季のセリエAでは、スソ以外にもミラン放出後に躍動している男がいる。ローマのイタリア代表FWステファン・エル・シャラウィは、昨夏にミランからモナコに期限付き移籍で旅立ったが、モナコが買い取りオプションを行使しなかったため、1月にミランは呼び戻せるチャンスがあった。しかし、ミラン強化部はかつて「至宝」と呼ばれた男をあっさりとローマに放出してしまった。

 そしてエル・シャラウィは、新天地で輝きを取り戻した。3日のラツィオとのローマダービーでも、前半15分にヘディングで先制点。「ファラオーネ(エジプトの王)」と呼ばれミランサポーターから愛された男は、ローマ移籍後、リーグ戦で怒涛の6ゴールと大暴れしている。

 チームもエル・シャラウィが加入した1月30日のフロジノーネ戦以降、リーグ戦9勝1分で3位に浮上。来季のUEFAチャンピオンズリーグのプレーオフ出場権を手中に収めようとしている一方、6位のミランは直近のリーグ戦4試合で2分2敗、わずか2得点とゴール欠乏症に陥っており、7位サッスオーロも勝ち点1差に接近。このまま失速が続くようだと、3年連続で来季の欧州カップ戦出場権を失うことになる。

 スソやエル・シャラウィが現在のミランに留まっていても、同じ活躍ができたかは分からないが、本田らとポジションを争うライバルとして、チーム内の競争力を高め、攻撃陣の貴重な戦力となった可能性は高い。ライバルに”最高級の塩”を送ってしまった格好のミランは、昨夏100億円の補強費を費やしたが、その効果は結果として表れていない。強化部の失策が続く自業自得の名門。暗黒時代はまだまだ続きそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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