「監督をやり続ける意欲は?」 大敗直後に厳しい質問…独メディアの姿勢が代表を鍛える

「それが私の仕事」 ドイツメディアが貫く建設的な厳しさ

 インタビュー後、繊細なところへ突っ込んだ質問に対し、シュバインシュタイガーも「いい質問だったと思う。そこに切り込むのはなかなかできない。例えばイングランドだったら、まず無理な質問だから」と褒めると、オプデンヘーフェルは「それが私の仕事ですから」ときっぱり。

 歴史的大敗に指揮官がショックを受けているのは誰の目にも明らか。だが、それに同情するのもまた違う。批判的や屈辱的な表現をするわけではなく、あくまでも建設的にポイントを明らかにしていくことが求められているのだから。そうした厳しさのなかで選手も指導者もスタッフも、自分たちのパフォーマンスを高めていかなければならない世界だ。

 ブンデスリーガの試合後でも、失点に絡むミスをしたGKに対して「なぜあそこで、あの決断をしたのか?」とダイレクトな質問が普通にされるし、それこそ微妙な判定に対しては審判にモニターの映像を見せながら説明を求めたりをする。

 曖昧な言葉を濁したり、不必要なポジティブな声で誤魔化したり、現実離れした盛り上げもいらない。そうしたやり取りを乗り越えられなければならないプレッシャーのなかで、選手も、指導者も常に鍛えられているのだなと改めて感じた。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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