勝負を分けた「迷い」と「理解度の差」 日本代表「メキシコ戦出場16人」を金田喜稔が採点

日本代表「メキシコ戦出場16人」を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & AP & JFA】
日本代表「メキシコ戦出場16人」を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & AP & JFA】

後半2失点で2020年初黒星 前半の決定機で決められなかった鈴木が最低評価

 日本代表は現地時間17日、オーストリア・グラーツで国際親善試合メキシコ戦に臨んだ。FIFAランキング11位の強豪を相手に、森保一監督は13日のパナマ戦(1-0)からスタメン9人を変更し4-2-3-1システムを採用。前半は攻勢を仕掛けて決定機を作ったもののゴールを奪えず、後半に修正してきたメキシコに後手を踏む展開となり、後半18分にFWラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン)、同23分にFWイルビング・ロサーノ(ナポリ)に決められて敗れた。

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 2020年4試合目での初黒星、そしてまたも流れのなかからゴールを奪えなかった森保ジャパンの戦いを、識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で評価した。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■鈴木武蔵(ベールスホット/→後半12分OUT)=★★

 1トップとして守備時には前線から献身的に追い込むなど、現日本代表のベースとなる部分はしっかりと表現していたし、前半にはポスト役として周囲と連動するシーンも作っていた。だが、特にこうした格上のチームとの試合では、決めるところで決めないと流れは引き寄せられないし、最前線で起用されるFWはゴールを奪うことが最大の使命。前半15分に左サイドの原口からパスを受け相手GKと1対1になったシーンは、ストライカーとして決めなくてはいけない。あれが決まっていたら、その後の両者の試合運びも大きく変わったはず。試合の行方を左右するミスになってしまった。

<MF>
■原口元気(ハノーファー/→後半27分OUT)=★★★

 序盤に好プレーを連発し、前半12分に見せたカットインからのミドルは原口らしい素晴らしいシュートだったが、あれは左手1本で止めた相手GKギジェルモ・オチョアを褒めるべきだろう。さらに同15分に左サイドを抜け出し、鈴木に送った横パスも決定的なプレーだった。ただその後は、原口本人だけのせいではないが、ボールを触る時間がやや少なくなってしまった。立ち上がりの動きが非常に良かっただけに、1試合を通してアタッキングサードでもう少しゲームに影響を与えるプレーを見せてほしかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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