“川崎の太陽”ジュニーニョ、引退発表の中村憲剛に贈るメッセージ 「手助けできたのなら本当に幸せ」

かつて川崎フロンターレでプレーをした中村憲剛について語ったジュニーニョ【写真:本人提供】
かつて川崎フロンターレでプレーをした中村憲剛について語ったジュニーニョ【写真:本人提供】

「引退後は大事に思っている人たちのそばにいて、多くの時間を注ぎ、楽しんでほしい」

 そしてジュニーニョは最後に、9年間の時をともにし、その後も川崎のバンディエラとして君臨し続けた中村へメッセージを送ってくれた。

「いつでも幸せであってほしい。わずかとなった現役生活の残りの日々も、締めくくりの時も、そして引退した後も。その後は一度、ゆっくり休むことだよ。長年、サッカーに人生を捧げてきたんだから。そうだ、ブラジルに来ればいい。僕の家に招待するから、何日でもここで過ごすと良いよ。ビーチもある。

 というのも、引退した直後というのは、あの感覚が抜けないんだ。いつも朝早く起きて、練習していたのに……とか、いつも遠征に行っていたのに……とか、すべての感覚が、胸を締め付ける。だから、これまでの人生と、完全に切り離した期間を過ごすのも大事なことなんだ。自分自身が、引退したことにピンと来るように。

 それから、現役の時は家族を犠牲にすることもある。奥さんや子供たちの誕生日に、一緒にいられなかったりね。だから、家族や、ほかにもケンゴが大事に思っている人たちのそばにいて、多くの時間を注ぎ、その時間を楽しんでほしい。その後は再び、ケンゴが選んだ道を、選手の時と同じような幸せを感じながら、歩んでほしい。必ず、幸せであり続けること。それが、僕の心の底からの願いであり、伝えたいメッセージだよ」

藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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