レジェンド3人“揃い踏み”の横浜FC 首位・川崎を追い詰めた指揮官の“プラン”とは?
カズ、中村俊輔、松井大輔の3人が先発出場し、首位独走中の川崎に挑んだ横浜FC
「もしかしたら、レジェンド3人がそろう可能性も十分にありますよ(笑)」
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試合前日、リモート取材に応じた横浜FCの下平隆宏監督は、今季いまだJ1リーグ戦では出場機会のなかったカズこと元日本代表FW三浦知良の出場について「大いにあります」と答えたうえに、聞かれてもいないのにそう付け加えた。
レジェンド3人とは、もちろん三浦知良(53歳)に加え、元日本代表MF中村俊輔(42歳)と同MF松井大輔(39歳)。3人合わせて134歳というその年齢を考えれば、同時起用はさすがにメディア向けのリップサービスかとも思われたが、指揮官は本気だった。それも、勝つためのプランを練ったうえで導き出した回答だった。
「レイソルの(監督だった)ころから、フロンターレとやる時は攻撃させてはいけないと思っている」という下平監督は、前回7月18日のホームでの対戦では、若いメンバーを中心に前線からマンツーマン気味に激しくプレスをかける戦術で川崎の攻撃を阻もうとした。しかし結果は1-5の大敗。そこで今回は、「自分たちの攻撃の時間を長くするためにかなりしつこくビルドアップをして、逆にフロンターレに前線から守備をさせる」(下平監督)。そのための、レジェンド3人そろい踏みだった。
「俊輔も大輔もビルドアップで力を発揮してくれますし、カズさんには良いところで起点になって、攻撃のビルドアップの助けになればという意図でした」
その意図は、川崎の鬼木監督もメンバー表を見てすぐに見抜いていた。
「質の高い選手たちでしっかりボールを動かして、自分たちよりもマイボールの時間を増やして攻撃してくると予想した」
横浜FCは前線からのプレスを抑え、当然押し込まれはするものの集中力高く最後の局面を締め、マイボールになればしっかり後ろからつないで攻め急がず、川崎ゴールに迫るのはMF松尾佑介がスピードで突破できる場面に賭けた。極端に言えば、勝っているチームの後半のような戦い方をスタートからやる。そして「前半を何とかしのぎ、後半はメンバー変更を含めてチャンスがあれば」勝ち越しを狙うというのが、下平監督のプランだった。