堂安律はビーレフェルトで“噛み合っている” 経験値の低い昇格組、求められる役割とは?

今季からブンデスリーガ1部で戦うビーレフェルトでプレーするMF堂安律【写真:Getty Images】
今季からブンデスリーガ1部で戦うビーレフェルトでプレーするMF堂安律【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】開幕戦でフランクフルトと1-1ドロー発進、痛感した2部との違い

 11年ぶりにブンデスリーガに復帰したビーレフェルトは、新シーズン開幕戦となったフランクフルト戦で1-1の引き分けに終わった。

 試合後、ウーベ・ノイハウス監督はフランクフルトのほうがビックチャンスが多かった点を認めたうえで、自分たちのコンパクトで組織的な守りを高く評価していた。一方でカウンターから好機に持ち込めそうで持ち込めないシーンが続いた点を修正点として挙げながら、まさにその部分が1部リーグと2部リーグの大きな差だという点を指摘していた。

「このあたりが2部リーグとの違いだということだろう。昨シーズンであったら、あれは我々の勝ち試合だ。攻撃でのミスでボールを失ったところから、ちょっとのことですぐに同点に持ち込まれるということは2部ではなかったこと。あれが1部の相手選手が持つクオリティーということだ」

 カウンターの起点を作れそうな場面で、数的有利でシュートシーンを作れそうな場面で、個々の選手のクオリティーで食い止められたり、自分たちの組織が整っていた状態なのに、それを相手に上回られて失点をする。1部リーグとはどういう舞台かというのを、選手も監督も体で感じたことだろう。

 この日、ビーレフェルトのスタメンで出た選手でブンデスリーガ出場歴を持つ選手は、アウクスブルクからレンタル移籍のFWセルヒオ・コルドバただ1人。キャプテンで2部得点王のFWファビアン・クロスも、守護神のGKシュテファン・オルテガも、そして指揮官ノイハウスにとっても、この試合が1部デビュー戦だったのだ。

 クロスは「フィジカル的にも思考的にもすべてが一回り以上速かった」と、要求されるスピード感の違いを口にしていたが、チームはその違いに慣れ、そのスピード感のなかでも安定したプレーができるようになることが求められている。

 そんな試合で、日本代表MF堂安律は非常にキレのあるプレーでチームに貢献していた。起用されたポジションは左のインサイドハーフ。ノイハウス監督は堂安加入時に「いろんなポジションでプレーできることが魅力の一つ。両ウイングやインサイドハーフもいけると思う」と話していたが、堂安の特長とチームから要求される要素がしっかり噛み合っている印象を受けた。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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