なぜ今季の川崎は圧倒的に強い? 元日本代表DFが語る“10番の変化”「あのスピード感」
栗原氏が語るMF大島僚太のグレードアップとMF中村憲剛の復帰「ちょっとしたデリケートな問題」
今季のJリーグも折り返し地点を迎えているが、J1では川崎フロンターレが首位を快走している。そんななか、元日本代表DF栗原勇蔵氏が、「Football ZONE Web」のインタビューに応じ、今季川崎が見せる圧倒的な強さの要因と長期離脱から復帰を果たした元日本代表MF中村憲剛について語っている。
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今季の川崎は開幕戦でサガン鳥栖に0-0と引き分けたが、新型コロナウイルスの影響による中断明けからは怒涛の10連勝を達成し、同一シーズンにおけるリーグ新記録を樹立した。2017年、18年とリーグ連覇を果たした川崎は、昨季4位に終わり、今季からは4-3-3システムへの変更に踏み切っている。
昨季終了後に横浜F・マリノスで現役を引退した栗原氏は、川崎が新システムを採用したことにより、これまでボランチで起用されていたMF大島僚太が、インサイドハーフに配置されたことで、得点シーンに絡む機会が増加し、これまで以上に攻撃面で存在感を放っていると強調している。
「大島選手が負傷なくプレーできているのが大きいんじゃないかな。大島選手はとにかく上手い。それでも、中盤で上手い選手は日本にもたくさんいる。だが、大島選手が凄まじいのは、あのスピード感。相手を一瞬でかわすアジリティーを持っているので、そこで剥がせるのは相当大きいと思う。大事な先制点を奪っているイメージもある」
一方、第13節の清水エスパルス戦(5-0)で左膝の大怪我から約10カ月ぶりに復帰した中村について、「憲剛さんの復帰がどんな影響を及ぼしていくかですね。ちょっとしたデリケートな問題ではある」と注目。「不在時にもチームが結果を出していた一方、憲剛さんにしかできないプレーも絶対にある。ただ、憲剛さん自身がずっとベンチに座り続けることに耐えられるのか、というのはある」と言及している。
「正直、憲剛さんでなければ、このタイミングで完全な世代交代になっていたんじゃないかな。それだけ、川崎にとって憲剛さんはスペシャルだから。でも、苦しい時やギアを上げたい時のスーパーサブとしての立場を、憲剛さんが今後も受け入れられるのなら、これ以上に最高のカードはないと思う」
今年10月で40歳を迎える中村の復活が、首位を走るチームに何をもたらすのか。栗原氏も熱視線を送っていた。