澤さんが五輪逃したなでしこに温かいエール「ここから這い上がって再び世界一のチームに」

 日本女子サッカーの未来につながる1勝

  後半に入ると、チームのストロングポイントである連動性が発揮され、相手ゴール前へ何度も迫った。それが実ったのは同35分だった。ペナルティエリアやや左でDF有吉佐織からの縦パスを受けたFW横山久美からの落としを宮間がダイレクトでクロスを送る。主将が放った正確無比な軌道のボールはFW岩渕真奈の頭にピタリと合い、待望の先制点を奪った。これまで長年チームを引っ張った主将と、今後を支える新世代が連動した一撃には、思わず澤さんも手を叩いて喜んだ。

  その直後、北朝鮮のCKからのシュートが枠内へと飛んだが、宮間がゴールライン上のヘディングで必死にかき出すなど、なでしこらしいひたむきなプレーが随所に見られ、今大会初のクリーンシートで勝利した。試合終了後、澤さんは今後の女子サッカーに向けてこうメッセージを送った。

 「五輪出場権は獲得できませんでしたが、ここから這い上がって再び世界一のチームになってほしいと思います」

  最大の目標であるリオへの道は閉ざされたが、チームは今大会最終戦でアイデンティティを取り戻した。澤さんが繰り返した提言を体現したなでしこジャパン。日本の女子サッカーにとって未来につながる1勝となったのは確かだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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