「本当に悔しい」 浦和相手に好ゲームも逆転負け…大分監督、敗因は「つかめない」

大分トリニータの片野坂知宏監督【写真:小林 靖】
大分トリニータの片野坂知宏監督【写真:小林 靖】

片野坂監督、「選手のパフォーマンスには満足」も敗戦に悔しさ

 大分トリニータの片野坂知宏監督は、29日の浦和レッズ戦に1-2で敗れた試合後、勝敗を分けたポイントについて問われると言葉が出てこなかった。「どこがターニングポイントになったか、ちょっと僕もつかめない」と言うほど、内容的な面では好ゲームだったと振り返った。

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 大分は立ち上がりからゲームの主導権を握り、前半9分には狙いとしたサイドチェンジからのクロスで先制に成功。しかし、前半30分過ぎの3分間で2ゴールを奪われると、そのビハインドを跳ね返すことができなかった。失点シーン以外、浦和の攻撃で失点の危機を感じるような場面は少なかっただけに、無念さがあった。片野坂監督は「攻撃、守備の狙いをしっかり90分やってくれたと思う。選手のパフォーマンスに関しては僕自身も満足しているし、いいゲームができた」と話す。

 だからこそ、勝敗を分けたポイントを問われると「うーん、どうだろう……」と考え込み、しばらく言葉にならなかった。

「先制点を早いうちに取れたし、追加点を取れるチャンスもあったし、同点に追いつける崩しもあったので、決めきれなかったことが敗因になる。浦和さんはFKも、中に入るメンバーも、ゴール前のクオリティーも、得点を取れるストライカーもたくさんいるし、失点の2点は非常に悔しいけど、やはりトップレベルの相手は許してくれない失点。ただ、選手もそこから盛り返してくれたので、どこがターニングポイントになったか、ちょっと僕もつかめない。これだけチャンスを作ったなかで勝ち点をつかめなかったのは、本当に悔しい」

 大分はJ3まで落ちた2016年に片野坂監督が就任して、一からチームを作ってきた。「カタノサッカー」とも呼ばれる攻守に組織的で丁寧なポゼッションを軸にしたチームは、昨季J1に復帰。そして9位でシーズンを終えると、片野坂監督はJリーグの優秀監督賞も受賞した。

 片野坂監督は「我々のチームは、チームとして戦って、ここまでたどり着いたチームだし、今後も1人の選手に頼るとか、絶対的な選手とかではなく、チームとして戦わないといけない」と強調した。敗れはしたものの、大分の象徴とも言える全員サッカーは十分に表現された試合だった。

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