「恥ずかしい試合」から1年 清水のブラジル人MF、因縁の相手に汚名返上のミドル弾

縦横無尽に動き回る頼もしい男、負傷離脱から完全復活

 昨年11月に左前腕を骨折し全治3カ月と診断されたが、なかなか回復せず心配して声をかけた時には、自身のスマートフォンからレントゲン写真を見せ「まだ骨がついていません。ゴメンナサイ」とチームに貢献できないことを謝るほど真面目なヘナト・アウグスト。その後に筋肉系の負傷でさらに合流が遅れていたが、チームと仲間とサポーターのことを常に考え、縦横無尽に攻守両面でピッチを動き回る頼もしい男が完全復活した。

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 さらに後半48分にはペナルティーエリア内でボールを受けたカルリーニョス・ジュニオが細かいステップで切り返してゴールを決め、この日、自身の26歳の誕生日を祝うバースデーゴールで試合を締めくくった。ようやく役者が揃ってきた清水だが、数的有利を生かし、もっと点を取れるシーンがあったことも事実である。「決めきる」という課題はまだ克服できていないが、1年前の悪夢を振り払うこの勝利で上昇気流に乗れるのか。さらなる千両役者が現れそうな次節が、また楽しみになった。

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下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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