逆境で問われる”スピルバーグ佐々木”の手腕 なでしこの新たな主役を発掘し、五輪へ導けるか

豪州に3失点完敗も前を向く指揮官 「あまりにひどい状況ではない」

 敗戦スタートにも指揮官は前を向き続けている。29日のリオデジャネイロ五輪最終予選の初戦でオーストラリアに1-3と敗れたなでしこジャパン。佐々木則夫監督は、「日本の皆さん全体に謝りたい」と責任を言葉にしつつも、予選突破へファイティングポーズを崩していない。

 このゲームに臨むにあたり、佐々木監督は経験のあるベテラン選手を数多く起用した。2011年にドイツ女子W杯で優勝した際の主要メンバーから、引退したGK海堀あゆみさん、MF澤穂希さん、リザーブに回った右サイドバックのDF近賀ゆかりの3人が入れ替わったのみ。GK山根恵里奈とDF有吉佐織は昨年のカナダ女子W杯のメンバーであり、新しい戦力はMF中島依美だけだった。直前合宿の25人から若手を一気に外したことで、世代交代、新陳代謝の欠如を問題視されたが、経験の力がそれに勝るという計算が指揮官の頭の中にはあったはずだ。

 しかし、その目論みは崩れ去ってしまった。「負けたことに要因はあるが、それまでの準備や選手の取り組み、メンバー構成に僕は後悔してません。ただ、勝利というものを求めたなかで結果が出なかったことは僕の責任であり、後悔」と佐々木監督は話し、責任を抱え込んだ。

 そして、「オーストラリアがゴールを死守するという気持ちが勝っていた。我々のサッカー自体は悪くはなかった。結果として(両チームの得点が)3点と1点になった。それに尽きるゲーム。ここで下を向くわけにはいかない。洗礼を受けたなかで、すべて勝つという気持ちで切り替えて準備するだけ。あまりにひどいという状況ではない」と、試合を総括した。

 

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