「カオスの1カ月」を経てパレルモ名物会長が下した決断は”元サヤ” 今季解任の指揮官が電撃復帰
”活火山”の異名を持つザンパリーニ会長 混迷を極めた監督人事に終止符
イタリア・セリエAには日本代表FW本田圭佑が所属するACミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長のように、強烈なキャラクターを持つ名物会長が何人か存在する。そのうちの一人が「シチリア島の活火山」との異名を持つ、パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長だ。その特徴は、不振が続くことに我慢できず、すぐに監督をクビにしてしまうこと。そして今季も、その火山は猛威を振るっている。
パレルモは15日に、ジュゼッペ・イアキーニ氏が新監督に就任すると発表した。しかし、これは単純な新監督の就任というわけではなく、同一シーズン内の“出戻り”による就任である。一昨シーズンの開幕直後に、現役時代にイタリア代表でも活躍した“闘犬”ことジェンナーロ・ガットゥーゾ氏を解任した直後に就任したイアキーニ氏は、チームのセリエA昇格に成功。昨季はシーズンを通して指揮を執り、今季も続投した。パレルモでは異例とも言える長期政権を築いていたが、昨年11月に成績不振により解任されていた。そして、約2カ月のブランクを経ての復帰となった。
今季のパレルモの監督人事は、混迷を極めている。11月にイアキーニ氏を解任したザンパリーニ会長は、ダヴィデ・バッラルディーニ氏を新監督に招聘したが、わずか2カ月で同氏も解任された。1月に元アルゼンチン代表としてプレーもしたギジェルモ・バロス・スケロット氏が新監督となったが、チームを指揮するのに必要なライセンスを取得できず、ファビオ・ヴィヴィアーニ氏、ジョヴァンニ・ボージ氏が1試合ずつ暫定的な監督としてチームを指揮した。
結局、1月末にスケロット氏はチームを離れることになり、かつてペルージャで元日本代表MF中田英寿氏ともチームメイトだったジョバンニ・テデスコ氏を新監督に任命。その後、ボージ氏が監督、テデスコ氏が副監督という体制が決まったが、わずか1試合でその体制も終了。イアキーニ氏が電撃復帰することになった。