町田最年長MF李漢宰、“ポポヴィッチ流”で目指すJ1昇格の夢 「一つでの多くの喜びを」

ベテランの李漢宰にはポポヴィッチ監督も大きな期待を寄せている【写真:Football ZONE web】
ベテランの李漢宰にはポポヴィッチ監督も大きな期待を寄せている【写真:Football ZONE web】

「J1昇格は今、自分たちの現実的な目標。クラブのために力を尽くしたい」

「ポポヴィッチ監督は広島時代にコーチで、非常にフレンドリーにして頂いて、当時のことも覚えてくれていました。試合に出る出ない、メンバーに入る入らないにかかわらず、『大事な存在だと思っている』『チームをまとめて欲しい』と期待を込めて声掛けをしてもらっています。たぶん、皆さんのなかでは後ろからしっかりつないで、ボールを非常に大事にするポゼッションサッカーのイメージが強いと思うんですけど、前線からのプレスを含めて、攻守両面でハードワークと運動量が必要になる。まだ慣れないなかで求められるものも多い分、体も頭も疲れますけど、90分を通して相手の土俵でサッカーをするんじゃなくて、新しいゼルビアのサッカーを貫くことにトライしています」

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 町田はこれまで「1万5000人以上が入場可能なスタジアムを有すること」「設備基準を満たしたクラブハウス、天然芝またはハイブリッド芝ピッチを1面以上有する専用の練習場を用意すること」などの条件を満たせず、J2クラブライセンスとなっていたが、ライセンス制度の基準が緩和された2019年に初めてJ1クラブライセンスを取得。2018年にはシーズン4位ながらJ1クラブライセンスが付与されていないため、参入プレーオフに出場できないもどかしさを味わっただけに、李漢宰も新シーズンに懸ける思いは強いという。

「僕が来た6年前は、J1は頭の片隅にはあるものの、まだ声を大にして言える状況ではありませんでした。それが今は、自分たちの現実的な目標になっています。人間の命で考えるとしたら、僕は死んだような状況でFC町田ゼルビアに拾ってもらった。だからこそ、どんな時でもクラブのため、チームのために力を尽くせる。もちろん行動と結果が伴わないと誰にも認めてもらえないので、最年長ではありますけどJ1を目指して一緒に歩んでいけることに感謝しつつ、ピッチでは戦力として貢献してサポーターと一つでも多く喜びを分かち合いたいと思います」

 今年6月で38歳。それでも町田の“ハート&ソウル”を司る李漢宰の闘志は誰よりも熱く燃えたぎっている。

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(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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