欧州組の意地の一撃 次代のストライカー久保が電光石火のスライディング弾でリオ五輪への扉を開く

今大会3点目 「絶対にアジア王者になりたい」

 早くから日本の次世代を担うストライカーとして期待されてきた。2011年から京都サンガFCで二種登録選手としてプレーしていたが、正式加入が決まった直後の翌12年、立命館宇治高校3年時の2月に、当時のアルベルト・ザッケローニ監督から日本代表に選出された。出場こそなかったが、高校生の日本代表選出は市川大祐に続く歴代2人目の快挙だった。翌13年の夏にはスイスへの移籍が決まった。

 それだけに、この世代をけん引する存在として期待をされてきた。ここまで1次リーグ第2戦のタイ戦で2ゴールを挙げた以外、数字に残る結果を残せなかったが、この大事な準決勝で貴重なゴールを生み出した。そして、自身は途中交代でピッチを後にしたが、後半アディショナルタイムにMF原川力(川崎)が鮮やかなミドルシュートで決勝弾。本大会出場が決まると、チームメートに感謝の言葉を残した。

 「率直に嬉しいです。みんなに感謝したいです。最高に嬉しかったですし、リキが決めてくれてより一層嬉しかった。ここであと1勝して、絶対にアジアチャンピオンになって帰りたい」30日の決勝戦への決意も語った。ヨーロッパの荒波の中で勝負する若きストライカーが、アジアの王者としてリオへ乗り込む手倉森ジャパンの先陣を切る。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

田口有史●写真 photo by Yukihito Taguchi

 

 

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