ACミラン・インザーギ監督が本田をキーマンとして期待 「ピッポは彼にかけている」

地元紙も本田が見せる努力と技術、プロ意識を高く評価

「ピッチでもよく練習をしている。技術は持っている。テンポとスピードが欠けているだけ。昨シーズンの6か月でそれは顕在化した。しかしロシアリーグから来ていたということで、環境を変えることは楽ではなかった。我々のリーグはレベルが落ちたと言っても、セリエAの守備は、他のリーグから来たアタッカーにとっては難しい」
 記事が指摘するように技術は高いが、サイドアタッカーに不可欠な仕掛けのテンポとスピードが本田には欠如している。それが昨季4-2-3-1システムの右の攻撃的MFで起用され続けた本田に対する総評と言えるだろう。凋落著しいセリエAよりもレベルが低いと見なされているロシアからの移籍で、伝統的に狡猾で堅牢なイタリアDF相手に活躍する難しさも指摘されている。
 その本田は昨季リーグ戦16試合に出場し、13試合に先発、2得点を挙げた。
「1月は最高のインパクトを残したが、姿を消した。本当の意味で頭角を現すことができなかった。不安定だったのはポジションだった。この日本人は滅多に話さない。しかし話した時にははっきりしていた。“僕は司令塔の選手。トップ下でプレーすることが好き”と話していたが、(前監督のクラレンス)セードルフは4-2-3-1の右でのみプレーさせた。ケイスケはそれに慣れようとしていた。彼のプロ意識は疑いない。文化的にも仕事に対しても上下関係を尊重するから、監督が要求することを聞いていた」
 トップ下を切望しながら今季ブラジルの強豪サンパウロに去ったブラジル人MFカカからそのポジションを奪うことができなかった。昨季、本田は右サイドで懸命にプレーしたが、思うような結果は出せなかった。果たして今季はどうだろうか。
 特集では本田にとってミラン2年目となる今季について「朗報」と「悲報」があるとし、朗報については「シーズンの初めによく準備を整えた。イタリアのサッカーとミランの環境も分かった。イタリア語はまだちょっと足りないが……」と伝えている。つまり、昨季の後半と今季のプレシーズンでうまく順応してきたということだ。それでは悪い知らせとは何だろうか。
「悲報はミランがほとんど4-3-3で試合をすることだ。つまりトップ下は存在しない。ケイスケは試合に出るために、また右でやらなければならない。サイドアタッカーとして、タッチライン際を上下動する。まさに苦しんだポジションだ。しかし他に策はない。それだけではない。右にはメネズがいる。凄く調子がいいニアンもいる。競争に勝つのは厳しいだろう。リーグ戦しか残っていないことも特に厳しい」

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