“Jリーガー兼YouTuber”の先駆者・那須大亮、サッカー界に見出す新たなセカンドキャリア像

2018年からヴィッセル神戸に所属。昨季限りで現役生活に別れを告げた【写真:Getty Images】
2018年からヴィッセル神戸に所属。昨季限りで現役生活に別れを告げた【写真:Getty Images】

今後オンラインサロンの開設も予定 見据えるサッカーとエンターテインメントの融合

「継続してやってきたなかで、投稿コメントを含めていろんな声が変わってきました。少しずつ自分の意義を皆さんに認識して頂け始めたのかなと。ただ、まだスタートラインに立っただけです。YouTubeは特に若い子たちが活用しているので、その世代にどれだけサッカーを知ってもらうための入り口を作っていけるかだと思っています」

 動画投稿は1週間に数本だった現役時代に対し、引退後は1~2日に1本とペースが上がり、企画性がより色濃く反映されている。そこには、YouTube利用率の高い18~24歳を意識すると同時に、「視聴サイクルを作る」狙いがあるという。

 サッカー界では、元日本代表MF本田圭佑(ボタフォゴ/ツイッターフォロワー数約95万人)や日本代表DF槙野智章(浦和レッズ/ツイッターフォロワー数約75万人)がSNSを積極的に活用し、自分の意見や情報を発信している。那須氏は「本田選手、槙野選手にはそれぞれの個性があって、彼らにしかできないやり方だと思います」と語る一方、「でも、僕のやり方は僕にしかできない」と見解を述べる。

「僕には代表歴も、海外でプレーした経験もない。もともと持っているインフルエンサー力が全然違って、彼らとは天と地の差があります。でも逆に、僕だからこそこういうやり方なのかもしれません。もし僕が代表に入っていたら、果たしてこういう活動をしていただろうかと、たまに考える時があります。自分にしかないサッカー人生だったから、選手としてのプライドを上手く制御したり、いろんなことに気づくことができたのかなと。言ってしまえば、僕は世間一般ではあまり知られていない存在。ただ、全体を見渡せばそういう境遇の選手のほうが多いわけで、思いや手段次第で一つの形を見出せると“ヒント”を示したいと思っています」

「ここがゴールではない」とも語る那須氏。サッカー普及活動の軸としてきたYouTubeの他にも、サブチャンネルやオンラインサロンの開設なども見据えているという。

「サッカーとエンターテインメントをより融合させていきたいですね。そうすることで、企業さんに賛同頂ける機会も増えると思うので。サッカーに興味を持っていない方に、どう魅力を伝えていくか、その窓口を増やしていきたいと思います。皆さんに笑顔になってもらいたいのが大前提ですけど、自分の会社も大きくしていきたいと思っています。そのためには自分の名前を知ってもらったり、影響力をつけたり、いろんなものが必要になってきます」

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