注目のマンC-アーセナル戦でイングランド人の先発は両軍合わせてわずか3選手のみ ガリー・ネビルもイングランド弱体化に警鐘を鳴らす

 ブラジルワールドカップにおいて2敗1分けで1次リーグ敗退という屈辱を味わったサッカーの母国イングランド。その国力の低下がプレミア開幕前の強豪対決で明らかになってしまった。

 超満員の観客に彩られたウェンブリー・スタジアム。その注目の一戦において、両軍で先発したイングランド人はアーセナルDFキーラン・ギブス、カラム・チェンバース、MFジャック・ウィルシャーの計3人のみ。マンチェスターCでイングランド人の先発選手は誰もいなかった。

 ベンチメンバーとしてはアーセナルはFWアレックス・オックスレイド・チェンバレン、マンCにはイングランド代表正守護神ジョー・ハート、DFマイカ・リチャーズ、MFジェイムス・ミルナー、スコット・シンクレアら英国人選手が名を連ねていたが、両軍で先発がわずか3人というのは寂し過ぎる数字だ。

 昨年のコミュニティ・シールドではマンチェスターU対ウィガンの試合(マンU2-0勝利)で両軍ともに5選手ずつのイングランド人が名を連ねた。2年前にマンCがチェルシーを3-2で撃破した試合では両軍4選手。いずれの試合と比べても、今季の試合の方が少なかった。

 イングランド代表のロイ・ホジソン監督のアシスタントを務めるガリー・ネビル氏は「我々は自分の首を徐々に絞めている。スコットランドとアイルランドのことを笑っていたが、我々の目の前でイングランドでも起きている。25年前にリバプールはアイルランド代表とスコットランド代表の選手を抱え、マンUはスコットランド代表とアイリッシュとウェールズ人がいた。プレミア上位6チームのイングランド人の数はわずかで、急速に減少している」と警鐘を鳴らしている。

 潤沢なテレビ放映権などで資金力に優れるプレミアは他のリーグから優秀なタレントを獲得できる代わりに、自国のタレントがトップレベルで活躍することが難しくなっている。イングランドのワールドカップの不振の理由は様々な局面で顕在化し始めているようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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